ホワイト・シンク ※未完
お題:悲観的なところてん 制限時間:15分 文字数:462字
美月さんは体の前で手を組んで、三人の話をまとめた。
「今のところ私たちには共通点も見つけられず、私たちがこの白い空間に集められた理由は不明。そして、脱出方法も不明、と」
そうだね、と長嶺さんが呆れたように相づちをうった。みたいだね、と僕も頷いた。
僕ら三人のいる白い空間にはおよそ色と呼べるものがなく、どこからか光は入っているはずなのに僕らの足元には影さえ無い。ぼうっとしていたら、上下左右の感覚が無くなって自分の足元が覚束なくなるけれど、ちゃんと足裏に地面の感覚はある。
長嶺さんがはあっと大きく息を吐いた。
「で、どうする?このままここに居たって何にもならないと思うよ」
そうだね、と僕と美月さんの声が重なった。
「探索でもしてみる?って言っても、見渡す限り白いだけだからなぁ」
ただただ白い空間なの遠近感覚にも自信はないけれど、ひとまず僕らの目に見える範囲には僕ら三人しかいなかった。他には音も聞こえないし、匂いもしないし、暑さ寒さもない。最初から手詰まりだ。
「とりあえず、ちょっと歩いてみる?」




