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チョコレートを食べながら  作者: 藍沢凪
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姉の料理 ※未完

お題:左の料理 制限時間:15分 文字数:558字


私の姉は家庭的な人ではない。

掃除させたら部屋の隅を丸く掃くし、洗濯させたら白いシャツと色物を一緒に洗うし、料理させたら食材も鍋も焦がす。

家事に全く興味がなく、多少埃が積もっていようと白いシャツが青くなろうと野菜炒めが焦げていようと気にしない人なのだ。

姉本人もまた自分が家事を得意ではないとわかっているので、姉よりは得意な私にほとんど任せっきりなのだ。


家に帰ってきたら、母親は帰って来ていないのに、玄関まで美味しそうな匂いが漂っていた。

揚げ物っぽい匂い。

廊下を歩いて台所を覗くと、そこにはエプロンを着けた姉が菜箸を持って立っていた。

私に気付いた姉はにこっと笑う。


「おかえり、にーな」

「ただいま。お姉ちゃん、何作ってんの?」

「何って、唐揚げ」


姉はコンロの前に立っていて、フライパンこそ見えないけれど姉の後ろからは確かにパチパチと油の跳ねる音がしていた。

姉が一人で料理をしていることが信じられない。

それも、唐揚げなんて姉にとって高度な料理。


「それちゃんと食べれるの?」

「当たり前でしょ」


ふふんと自慢気にしながら、菜箸で空気を掴むようにカチカチと鳴らす。

着替えてきなよ、と言われたので私は釈然としないまま、制服を着替えた。

台所に戻ってくると姉は鼻歌を歌いながら鶏肉を揚げていた。


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