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チョコレートを食べながら  作者: 藍沢凪
174/250

君が残した青 ※未完

お題:遠い広告 制限時間:15分 文字数:550字


僕の瞳に映ったのは、視界を埋めつくす数多の光り輝く青色の石だった。


「夢みたいな場所でしょ。でも現実なんだよね、これがさ」


彼女は何でもないことのように言って先をゆっくりと歩くものだから、僕は辺りをきょろきょろと見舞わしながら彼女の後を着いていった。


秘密の場所へ案内してあげる、と彼女は言った。

それからランプ片手に幾重にも道が分かれた薄暗い洞窟を迷いなく歩き続ける彼女には途中で疑心暗鬼にもなったけれど、まさかこんな場所へ出るとは思いもしなかった。

壁、床、天井。

むき出しの土壁の至るところから青い石が顔を覗かせており、それは彼女の持つランプの光できらきらと輝く。


「映画で見たことがあるよ、こんな場所。実在するだなんて思っても見なかったけど」

「これさ、一部だけ持ち帰って詳しい人に見せたんだけど、宝石じゃないんだって。こんなに綺麗なのにね」


壁に突出していた石に触れると、硬くて思いの外ひんやりとしていた。

それから歩いていた僕たちは開けた場所に出た。

ランプの光が届くところまで一面に青色が広がっている。


「すごいなあ。本当に僕に教えてくれて良かったの?」


うん、と彼女は頷いて笑った。


「私、もうすぐこの街を離れちゃうから。そしたら、この場所を知る人はいなくなるよ」


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