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つめたくしずむ ※未完
お題:出来損ないの螺旋 制限時間:15分 文字数:403字
夜が静かに膨らんでいく。
ポケットに手を入れて、足早に道を進む。
遠く、車の走行音だろうか風の音だろうかわからないけれど、唸るような低音がゴオッと響いている。
切れかけた街灯の、パッパッと輝くオレンジ色の光が、通りすぎる僕の目を刺激した。
思考はぐるぐると下方向へ螺旋を描いている。
衝動的に家を飛び出してきたものの、お金も持ってこなかったし行き先なんて考えてもいなかったから、近くの公園へと足を踏み入れた。
昼間は子どもたちのはしゃぐ声が聞こえるこの場所も、0時近くの夜中では人っこ一人いない。
何とはなしに沈黙しているブランコに座った。
錆びた鉄の鎖は外気に冷やされて冷たかった。
足を地面につけたまま前後に軽く揺らせば、キイキイと錆びた鎖が鳴る。
吐き出した息が白かった。
じっと座っていると冷えきった鎖が手を、忍び寄る冷気が足元を浸食してきた。
それと同時に頭も冷えて、幾分冷静になってきた。




