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チョコレートを食べながら  作者: 藍沢凪
164/250

Dive ※未完

お題:絵描きの男 制限時間:15分 文字数:767字


バキッという音が響き、室内にいた人間は手を止め、音の発せられた方を振り返った。

音の発信源はハヅキくんが持っている真っ二つに折れた青色の色鉛筆だったらしい。


「ハヅキくん、どうしたの?」


部長のミナミさんが声をかけると、ハヅキくんはえへへと照れくさそうに笑った。


「すみません。なんか、変に力入れちゃったみたいで」


何だー、そっか、驚かせないでよね、びっくりしたわー。

美術部員たちが口々に言う言葉にハヅキくんはすみませんーと笑い、それぞれが作業に戻っていく。

再び静かになった室内で私はハヅキくんを見続けていた。


ハヅキくんは大人しい人だ。

と言ってもそれは、賑やかで喧しい我が美術部においての美術部員の総評であって、私は彼を普通な人だと思っている。

みんなが盛り上がっていたら輪に混じって楽しそうに笑っているし、話しかければきちんと受け答えしてくれる。

もちろんあちらから話しかけてもくれる。


しかし、彼が部活でこんな風に大きな物音を立てたのは初めてだった。

こういうドジをするのは副部長のアイヅくんで、ハヅキくんはむしろアイヅくんのサポートをするような人だ。


ハヅキくんは折れてしまった色鉛筆をゴミ箱に捨てると、棚のストックから新しい色鉛筆を取り出して席についた。

今日の私は彼から離れた席に座っているので手元が確認できないけれど、昨日隣で見せてもらった時は海の絵を描いていた。

たぶん今日もその続きを描いているはずだ。


青色が好きなんだよね、と彼は言っていた。

確かに彼は今描いている海の絵以外にも青色をふんだんに使った絵を描いていた。

建物も植物も動物も人間も、有機物や無機物に限らず、彼は青色を中心に彼の世界を絵の中に構築していた。

私は彼の描く世界が好きだった。

一口に青色と言ってもさまざまで、例えば


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