光から生まれるモノ
お題:光の運命 制限時間:15分 文字数:582字
渾身の光魔法を放つと、命中したドラゴンはゆっくりと地面に倒れた。
大きな地響きが引いても尚ドラゴンは起き上がる気配がない。
「や、やった…」
遂に僕たちは町を苦しめていたドラゴンを倒したんだ。
剣士や舞踏家、賢者に戦士たちといった仲間は困惑していたが、ドラゴンがもう動かないのを見ると、わあと僕の元に集まってきた。
「やった!」
「やったぞ!」
「倒した、倒したんだ!」
「やるなあ、魔法使い!」
口々にドラゴン討伐を喜んでいると、不意に倒れたドラゴンが目映く光った。
「な、光魔法?!」
「まだ生きてるのか?」
「いや、完全に倒したはずだ」
やがて光が収束していく。
眩んだ目が落ち着いてきて辺りを見回すも、先ほどと変わりなくやはりドラゴンは地面に倒れ伏していた。
問題はドラゴンの手前に浮いている小さな生き物。
それは、もう動かないドラゴンをじっと見つめていた。
「あーあ、死んじゃったよオレ」
手のひらに乗るほどの緑色のドラゴンはぽつりと呟いた。
僕たちが倒したドラゴンよりも翼と尻尾が長く、スリムで線の細い印象を受ける。
「お、お前、何だ?」
「ドラゴンが喋ってる?」
戸惑っている剣士と舞踏家の言葉にドラゴンは、あーと酷く面倒くさそうにこちらを振り返って、鋭い牙ののぞく口を開く。
「取り敢えず、俺をお前らの仲間にしてくんない?」




