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チョコレートを食べながら  作者: 藍沢凪
159/250

海辺の絵描き ※未完

お題:絵描きの遭難 制限時間:15分 文字数:487字


海辺の堤防に腰かけて、今日も彼は地平線から訪れる夜を待っていた。

連日連夜、居てくれたらいいなと思いながら通りがかる私の期待を裏切らず、夕暮れからじっと海を見つめている彼の姿を見るとホッとする。


「こんばんは」


背後から声をかけると、彼は振り返らずに、ああと頷いた。

珍しく黒縁の眼鏡をかけた彼の膝の上には色鉛筆と真っ白いページのクロッキー帳、隣にペットボトルの水。

まだ描きはじめていないらしい。


「今日、寒いですね」


そうだねと彼は頷くけれど、相変わらず薄着で風邪を引きそうだなと思う。

今朝はぐっと気温が下がって肌寒かった。

太陽が沈んでゆく今もまた気温は下がっているだろう、吹き付ける風が冷たい。


それ以上話すこともなくて、二人で太陽が海の向こうへ沈んでいくのをじっと見ていた。

どこかでバイクのエンジン音が近づいて、遠退いて、消えた時、不意に彼は振り返った。

眼鏡の奥の瞳はどこかいつもより優しく見える。


「飽きないよね、君も」

「え?」

「俺、あんまりお喋りじゃないし。描き始めたら返事なんて出来ないし」


確かに彼はひとたび鉛筆を動かしはじめると、


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