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チョコレートを食べながら  作者: 藍沢凪
156/250

彼と僕と ※未完

お題:犬の任務 制限時間:15分 文字数:578字


彼は、僕が知る限り優しい人だ。

一緒に食事したり、出掛けたり、遊んだりと多くの時間を僕と過ごしてくれる。

彼は僕といる間は笑っている時もあるし、どこか悲しげな時もあるし、くるくると目まぐるしく表情を変える。


外の彼がどんな風に振る舞っているのかわからないけれど、彼は僕によく外のことを相談する。

あの人はどう思っただろう、あの時の行動は間違っていたんじゃないか。

どれもこれも自分への失望の恐怖と周囲を喜ばせたい気持ちで溢れている。

僕はそれに別段答えることはない。

ご飯を食べながら或いは寝そべったまま僕が話を聞いていると、彼は何時のにか自分で自分の泣き言や悩みに答えを見つける。

そして最後には「そろそろ寝よっか」と笑う。


「ただいまー」


その日も僕は帰ってきた彼を玄関で出迎えた。

普段の彼ならば一番に僕に「ただいま」と声をかけて僕を撫でてくれるのだが、その日は出迎えた僕を無視して自室へと向かった。

その足取りはどこか覚束ない。

彼は部屋に入ると服も着替えず、ベッドに倒れこんだ。

僕は気になって彼の体に飛び乗ると、彼は「ぐえっ」と呻いた。


「ただいまー、だんご。重たいので退いてくれませんか…」


僕はその言葉を無視して彼の背中に腰を落ち着けた。


「お前また太った?ころころしてんのもかわいいけど、柴犬的にはシュッとしていてくれよ…」


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