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あなたはどんな風に ※未完
お題:12月の決別 制限時間:15分 文字数:387字
街が白く染まっていく。
明け方から降り始めた雪は昼を過ぎても止まず、建物や道路にしんしんと降り積もっていた。
綺麗なものも汚いものも、全て白で上書きされていく。
ふともれた溜め息で窓ガラスが曇った。
寒いな。
そう呟いたところで返事はない。
当たり前だ、俺はこの室内に一人きりだからだ。
ほんの3日前までは俺が寒いと呟けば、嫌味っぽく嘲笑うような様子で彼女からこんな台詞が返ってきていたことだろう。
あんたの心が冷えきってるのよ、と。
俺は窓辺から離れてベッドに倒れこんだ。
あれから無気力で感傷的な気分に浸っているのはわかっている。
彼女がいなくなってもう3日、なのか、彼女がいなくなってまだ3日なのか。
どちらにしろ、彼女がいないことを受け止めきれていないのに変わりはない。
そして、こんな姿の俺を見たら彼女は笑うに決まっている。
何弱気になってんの、情けない、と。




