正義の味方はどこにいるのか
お題:闇の復讐 制限時間:15分 文字数:536字
子どもの頃から俺は正義のヒーローになりたかった。
テレビに出ていたヒーローはカッコよかった。
悪者を懲らしめ、罪を憎んで人を憎まず、最後には敵も味方も一緒になって笑えるような、そんなヒーローに俺もなりたかった。
勉強して、力をつけて、仲間を探して、俺は順調にヒーローの階段を上った。
弱きを助け、理不尽なものと戦う。
夢にまで憧れたヒーローになれたと、思っていた。
「そこまでだ!」
必死に逃げ込んだ場所は袋小路だった。
唯一の出口は俺の後を追いかけ、“正義のヒーローだ”と名乗る彼が塞いだ。
「観念しろ、小悪党め!この正義のヒーローが懲らしめてくれる!」
俺は初めから正義のヒーローを目指していたし、今では正義のヒーローになったとすら思っていた。
しかし、俺に剣の先を向ける彼は俺がヒーローじゃないと言う。
「何か、誤解をしていないか。俺は悪ではない。お前たちの味方だ」
すると彼は剣をめちゃくちゃに振り回した。
危ないことをする。
「うるさい!そうやって今までみんなを騙してきたんだろうが、俺はそうはいかないぞ!」
彼が再び剣を構えたとき、俺は彼の後ろに見てしまった。
禍々しいオーラを放つ、闇の存在。
つまり、彼は闇に乗っ取られているのかもしれない。




