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クラスメイトの彼方くん ※未完
お題:危ない彼方 制限時間:15分 文字数:464字
彼方透くんは平凡なクラスメイトだった。
休み時間は教室の片隅で物静かに本を読んでいるような、或いはクラスメイトの男子数人と談笑をするような、集団でも一人でも不自然ではない男子だった。
ずば抜けた頭脳や運動神経を持ち合わせた訳でもなければ、特別な才能に恵まれている訳でもない。
私はそんな彼方くんを意識したことはなかった。
彼方くんはクラスメイト。
それ以上の認識なんてないし、接点のない私と彼は話したことすらない。
毎日同じ空間にいても、視界のどこかに入っていても気にならない。
それがクラスメイト、彼方透くん。
しかし、彼とクラスメイトになって三ヶ月経った今日。
私はその認識を大きく改めることになる。
「椚さん。どうしたの?」
かは鋭いナイフを持って、にこりと笑った。
塾からの帰り、家への近道をしようとして人気の少ない公園を歩いていた時だった。
噴水の前に不審な動きをする人影を見たのだ。
よせばいいのに、好奇心を抑えきれなかった私は人影にそっと近づいた。
すると、その人物はナイフ片手に何かを切り刻んでいた。




