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振り向かない君の
お題:どす黒い戦争 制限時間:15分 文字数:290字
風に乗ってかすかに火薬と血の入り交じった匂いがした。
嫌な予感を振り切り、相川を探して走り続ける。
シャッターの下りた薄暗い商店街の前へたどり着いたとき、近くから乾いた発砲音が2発聞こえた。
音は商店街隣の横道の方からした。
足を向けると、更に銃声が2発。
程なくして地面にうつ伏せで倒れている相川を見つけた。
「相川!」
相川は真っ白い服の腹部を赤く濡らし、荒い息をしていた。
私の声に反応した相川は目だけ動かして私を確認すると、少しだけ唇の端を持ち上げた。
「山神、無事だったか」
「誰にやられた」
「青い髪、黒いトレンチコートの男」
相川の話す男は見覚えがあった。




