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チョコレートを食べながら  作者: 藍沢凪
132/250

閃光 ※未完

お題:免れた僕 制限時間:15分 文字数:505字


愛していた。

愛していました、×××さん。


全てがスローモーションのように、一秒がもどかしく歯痒い程長く感じられた。

しかし、実際は瞬きする間ぐらいの出来事だっただろう。


「だから、もういいのよ」


滴り落ちる血の音がやけに耳につく。

彼の持つ刀が私の体を貫いていた。驚くほど冷静に私は彼の刀を受け止めたのだった。

彼は、彼の意志で仇である私を討ったというのに、目を恐怖で見開き、絶望の色に染めていた。

それはどことなく悲しみも感じられて、君がそんな悲しそうな顔をする必要はないのにと同情してしまった。今更だよ。


「もういいの。愛した人はいない。君は私を恨んでいる。これで良かった」


話し続けると口から血を吐いた。

彼が刀から手を離さなかったので、彼の顔と服を更に赤く染めてしまう。

ひっと彼の喉が鳴る。


「良かったんだ。ねえ、×××さん」


結局最後の瞬間に思い浮かぶのはあの人だった。

愛していた。

愛していました、×××さん。

あなたが私を見ていなくとも、彼女を好きだと知っていても、裏で酷いことをしていても、距離が縮まらなくても。

確かに愛していました。

愛していたのよ。


「愛してるわ」


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