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不機嫌と結婚した ※未完
お題:蓋然性のある小説 制限時間:15分 文字数:431字
あの人は小説を書いているとき、不機嫌である。
日がな一日パソコンに向かっているか本を読んでいるか、日常の大部分を小説に捧げているので常に不機嫌であると言っても過言ではない。
頭をかきむしったり、タバコをふかしたり、いつの間にかうたた寝していたり、頭の中に浮かんだ物語を書くというのは簡単そうで大変らしい。
特に書いている小説の展開に行き詰まるとタバコを吸いながら室内をうろうろする。灰が落ちるから止めてと言っても聞かない。机にかじりつくよりも体を動かす方がアイデアは沸きやすいらしいと仰る。そりゃ結構だが、掃除は誰がやっていると思っているのか。
その反面、〆切の翌日だけは穏やかである。翌日だけと言うのが悲しいが、この日はいつもの料理を美味しいと誉めてみたり一緒に出かけてくれたりタバコを控えたりする。
小説家には休みなんてないと思っている。お店みたいに定休日なんて無いし。
〆切の翌日だって次の話に向けて頭の中はまた私の知らない言葉で溢れているのだろうが、




