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夜の慟哭 ※未完
お題:ひねくれた心 制限時間:15分 文字数:435字
手の中にある紙をぐしゃりと握り潰した。
乱暴にごみ箱へ投げ捨て、上着を羽織り、家を飛び出した。
悔しい。
悔しかった。
何にも気づけなかった僕も。だまし続けていた彼女も。
嘘に変わってしまった言葉たちも。
ぶつける所のない怒りが僕の体を突き動かしていた。
冷たい風が吹き付けてくる。
マフラーを置いてきたことに舌打ちした。
ポケットに手を突っ込んでひたすら歩く。
どこでも良い。
どこかへ行けるのならどこでも良い。
立ち止まってはいけない。
もし立ち止まったら、目に見えない何かに闇へと引きずりこまれそうだった。
行き先も考えずに足の赴くまま歩く。
そうして、たどり着いた場所に思わず笑ってしまった。
彼女と過ごした海だった。
握りつぶした手紙に“最後に一緒に行きたかった”と書かれていた海だった。
結局、僕はどこへも行けないのだった。
砂浜に降りて、適当な所に腰をおろす。
時折白い飛沫をあげながら、真っ黒い波が寄せては引き返していく。
波の音が体を包む。




