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チョコレートを食べながら  作者: 藍沢凪
121/250

夏休みの5日間 ※未完

お題:8月のロボット 制限時間:30分 文字数:730字


額の汗が頬をだらだらと伝ってくる。

煩わしくなってきた僕は漕いでいた自転車を道端に止め、首にかけたタオルで汗をぬぐった。

ついでに被っていた麦わら帽子を脱ぐ。

蒸れていた頭に風が吹いて心地いい。

ポケットに入れていたスマホを取りだし、時間を確認する。

10時28分。

約束の時間には余裕がある。

僕は再び帽子を被ると、自転車のペダルを踏み込んだ。

8月25日。

今日は雲ひとつない快晴で、これからまだまだ暑くなりそうだ。


川沿いを走っているとミーンミーンとどこからか蝉の声が聞こえてきた。

それはし次第に数を増して、より大音量になる。

音楽でも聞きたくなってきた。

僕は蝉の声が嫌いだ。

あの頭に響くような、脳みその奥にまで忍び込んで震えるような、いつまでも耳に残るような声。

一匹ならいざ知らず、一本の木に何匹もの蝉が群がっていると輪唱に次ぐ輪唱で大反響する。

だから蝉の声は嫌いだ。

そして、もうひとつ。

蝉の声は僕の大嫌いな夏を連れてくるから嫌いだ。


川沿いをしばらく走り、橋を渡る。

橋から大通りに出た後、細い路地を抜けて住宅街へ向かう。

マンションやアパートが並んでいて植物が少ないからか、蝉の声はだいぶ静かになっていた。

そして、ようやく目的地が見えてきた。

白いマンションの横、赤い屋根が目印の小さな一軒家の前に僕は自転車を止めた。

「茅森」の表札が目に入る。

僕は汗をぬぐって、インターフォンを鳴らす。


『はい?』

聞きなれた女の子の声にホッとする。

「水島ですけど」

『あー!ヨリちゃん!いらっしゃーい。待ってて、今開ける!』

「だから、ヨリちゃんって呼ぶのやめろ…って切れたし」


帽子を脱いで、ついでに自転車の籠に入れていたものをも


※即興小説トレーニングの方では完成作品となっていますが、そちらは間違いで、正しくは未完作品です。小説家になろう投稿にあたって訂正しています。申し訳ありません。

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