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でびる ※未完
お題:意外な悪魔 制限時間:15分 文字数:426字
倒れたコップ。
机の上に広がる水溜まり。
水浸しになった読みかけの小説。
僕がちょっとコンビニに行っていた間に、机の上に置いてあったコップがひとりでに倒れ、小説を濡らしてしまった、らしい。
なんとも奇妙だ。
僕は一人暮らしをしていてペットは飼っていない。
僕の留守中に誰かがやって来て部屋を荒らすこともなければ強風で倒れたということもないだろう、玄関と窓の鍵は閉めていた。
テレビをつけたが、地震があったわけでもないらしい。
ちょっと気味が悪い。
僕はびしょ濡れの小説を水溜まりから救いだし、机を拭いた。
「さて」
家を出る前とは変わり果てた小説を前にしてため息をついた。
小説は水を吸って、ページが波打っていた。
表紙を開くと水の染みた痕とインクの滲みが広がっている。
恐らく乾燥させても読める状態にはならないだろう。
また買えばいいかな。
僕がそれをゴミ箱に捨てようとした時だった。
「ごっめーん!」
どこからかひじょ軽い謝罪が飛んできた。




