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チョコレートを食べながら  作者: 藍沢凪
109/250

透明な記憶 ※未完

お題:天国の超能力 制限時間:15分 文字数:514字


自ら死んでしまった人間にはそれ相応の罰が下るよ。

それは友人と何気なく話していたときに友人がボソリと口にした言葉だ。そのとき友人とどんな会話をしていたのか、どういう流れでそんな言葉が出てきたのかは記憶にない。共感したわけでも、嫌悪感を抱いたわけでもない。

ただ、友人がひどく憂鬱そうに言ったその言葉は僕に強い印象を残した。

自ら死んでしまった人間にはそれ相応の罰が下るよ。


なるほど、友人よ、その言葉は間違っていなかった。


透き通った手を見つめ、グーパーしてみる。感触は何も変わらない。手を握った、開いたという感覚は確かにある。

物には触れるのだろうかと思って、目の前に倒れている僕の顔に手を伸ばしてみる。倒れている僕の顔は目を閉じて、口をだらしなく開き、血で汚れていた。額についた血に触れるように透明な右手を伸ばすと、僕の手は額を簡単にすり抜けた。びっくりして手を引っ込める。触れた感覚どころか、すり抜けた感覚もない。実体のない影に手を伸ばしたようだった。やはりというか、物には触れないらしい。


僕はため息をついた。

この世に未練はちっともないのに、どうしてか、僕は幽霊になってしまったのだ。友人の言葉が思い出される。


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