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星の海と彼 ※未完
お題:過去の排泄 制限時間:15分 文字数:425字
気付けば僕は星空のような空間にいた。辺りは奥行きも掴めないほどに真っ暗だが無数の星のような発光体がきらきらと浮かんでいる。不思議とその星のようなものは手を伸ばしても触れられない。
「気分はどう?」
声が聞こえたかと思うと、僕の目の前にゆらゆらと白い煙が現れた。それは徐々に僕と背格好が似た人形になった。
僕は語りかけてきたそれを、彼のことを知っていた。
「普通」
「普通ねぇ」
「それより、ここはどこなんだよ、ミキト」
「どこ、か」
白い煙、ミキトはゆらゆらと揺れ続けている。そのためか輪郭がぼやけている。
「どこでもあってどこでもない。空間と空間の間。境界線上」
すると、ミキトの頭の部分から青い霧のようなものがふわふわと産み出された。霧は頭から離れると雲みたいにぷかぷかとミキトの側で浮いている。そして、ミキトは白い腕を伸ばして霧を指した。
「これ、何かわかる?」
「いや」
「具現化された記憶だよ」
「記憶?」
「そう」




