溺愛悪役令嬢転生
悪役令嬢に転生しました。
前世の記憶を思い出したのは10歳の時です。
公爵家に生まれたロイヤルお嬢様な私。生まれる前から第一王子との婚約が決まっておりました。
王子様は2個上の現在12歳です。
記憶を思い出し、軽い熱を出しました。熱はすぐに下がりましたが、大事をとって3日間お布団でゆっくりさせていただきました。その間に思い出したのはシナリオを日本語で書き出しました。
前世で生きた記憶もあり、社会人経験もありましたので、婚約破棄されたとしてもなんとかなるでしょう。お家も資産は十分ありそうですし。どうしようもない時は手持ちの宝石でも売って、それを元手にお店を開いて慎ましやかに生きれるでしょう。前世は天然酵母でパン焼くのも趣味の一つだったし、お菓子もよく作っておりましたし、ベランダ菜園なんかも趣味でした。飲食店は地域の常連さんに受け入れていただけたら自転車操業でやっていける確率の高い商売だし、自分の食べる分の農業ができたら、田舎暮らしで自給自足の村に移り住めばやっていける。そう思えば、生きてはいけるでしょう。
ってな事で、流れに任せて、今を楽しみながら自由に生きよう。レッツ公爵令嬢人生!
知恵熱も下がり、落ち着いたので、婚約者の王子様と定期お茶会に来ました。
王子様は攻略対象なだけあって、キラッキラで穏やかな性格のザっ王子様って感じの子です。
って言っても、まだ12歳なのでお見た目は可愛らしさが残ります。身長は私より高いけど。
王子様は最近学ぶ学問が増えたらしく、少々お疲れの様子です。
12歳って言うと、前世では中学生。確かに学ぶものも増えるかも、算数も数学になるし。
今世でも流石に12歳くらいになると、知識を入れれる量も増えるのかもね。
私も基礎学問に、プラスして王妃教育の項目を学んでいるけど、前世の記憶持ちだから、基礎学問はめっちゃ懐かしいって感じで楽しく学べてる。
王妃教育もマナーの授業とかあるけど、お嬢様ごっことしてなりきり遊びの一環だと思ってるから、ストレスフリーで楽しく遊んでる。間違った、学んでる。オホホ。
「クラウス様、手を繋ぎましょう。」
「あぁ、良いよ。」
私の申し出に答えてくれて、丸テーブルの向かい側に座るクラウス様が、テーブルの上に手を開いて差し伸べてくれました。
私もテーブル上に置かれたクラウス様の手に、自分の手を重ねます。向かい側同士で座ってるから繋げはしませんが、手を重ねてみました。
「どうしたの?可愛い事して。さっき僕が学びが忙しいって言ったから気を遣ってくれたの?」
少し疲れた顔での笑顔ってちょっと色気あるよね。前世で、お仕事頑張ってるサラリーマン好きの人の気持ちに共感した瞬間でした。
「接触はストレスを軽減するらしいですよ。本当はハグとかが良いらしいです。頑張り屋さんのクラウス様が少しでも心穏やかになられましたら、私も嬉しいなって思いましたので、勝手ながらお声かけさせていただきました。」
淑女の笑顔付きで言いました。
クラウス様は私の発言を気に入ったそうで、それからと言うもの、定期お茶会やその他でお会いする場でも、出会い頭とお別れの時にハグするのが習慣となりました。また、手を繋ぐ事も増えて、隣同士で並んで座る場合などは基本的に手を繋いでいたり、どちらかのお膝にお互いの手が乗ってるのが日常となりました。
そんな日々を過ごしてはやいく年。
私は15歳となり、乙女ゲーム本編の学園入学の年となりました。
ヒロインちゃんを間近で見れるのも楽しみ。
クラウス様との仲は、変わらず!良好に思うのですがどのように物語が進むかも楽しみ。
いざ!入学!
学園生活はめちゃめちゃ楽しい!
学園内にはサロンや喫茶店、飲食店が何軒か併設されていて、学校帰りやお昼休みに友達と利用出来るし、魔法の授業やダンジョン遠足も友達やクラスの子とワイワイ楽しめて最高。
学校楽しい。ってか四六時中友達とダベれるの最高なんだが。授業中の手紙交換とかも、うわぁ学生してるぜって思えて最高に楽しい。
可愛いピンク髪のヒロインちゃんと、攻略対象者達は同じクラス。私は別のクラスです。
クラウス様は2学年上なので上級学年。
高位権力者はいい塩梅にクラスが分けられているらしい。だから、クラスそれぞれに上から下まで権力分布が揃ってる感じ。
私のクラスは、私が最高権力者のお家出身、かつ、前世持ちのお嬢様ごっこプロって事もあり、権力関係なくクラスの皆んなとお喋りするし、マナーに興味ある子には、お嬢様ごっこに引き込んでマナーを遊びで教えたりしてる。平民の子が素敵お嬢様のお辞儀が綺麗に出来た時はクラス皆んなで「素敵っ!ブラボー!」って拍手喝采となったりした。
男性諸君は素敵なレディファーストしてくれた時に、「その仕草カッコイイ!」「素敵な紳士様ありがとうございます。」って褒めるとデレ顔してくれる子が多くて、女生徒仲間とニヤニヤ鑑賞したりしてる。ナリチャは参加してみると楽しいものよ。
平民出身の子からは街で流行ってるお店を聞いて休日に皆んなで、案内してもらったり、昔ながらの遊びをクラス巻き込んで皆んなで遊んだりした。
昼休みにクラス全員でだるまさん転んだした時はマジで燃えた。最後の頃は鬼役の子と先に捕まっちゃった子をどう笑わすかの勝負になってたし。
その場で私の空気椅子で優雅にお茶をいただくポーズに皆様からの讃賞のお声をいただけたのは嬉しかったわ。
そんなこんなで楽しく過ごしているので、乙女ゲームがどんな感じで進んでるかわかんないのよね。
クラウス様との仲は相変わらず良好に思えるのよね。
ある日の出来事クラウス視点
「あっ。クラウス様ぁ〜。今日もご機嫌麗しゅう。」
「きゃぁ。今日もカッコいいわー。」
「今、目、あったかも〜。きゃぁー」
クラウス様と攻略対象者のうち2名が集まるクラスでは、この国の王子様とその側近候補の高位貴族が皆、見目が整っている事もあり、アイドルのような立ち位置になったいた。
女子男子関係なく黄色い声援を貰っていた。
「きゃぁ!すみません。足がもつれちゃったみたいで」
「大丈夫ですか。」
「あっ。ありがとうございます〜。」
アザとい子は、意中の殿方の前で転んでみたり落としものをしたりする。
その度に、クラウス達は優しく声をかけたり、紳士的な対応をする。幼い頃からよくある事で、王宮でも腹黒い大人達と仕事を共にしていたりするので、見抜くのは慣れっこである。
大体、本当か、わざとかは見抜ける。
ぶつかって来た少女を見送って、廊下に人が居なくなった所でクラウスが口を開いた。
「うっ。あの子香水キツくない。うげぇ。」
「甘い系の香りって好き嫌いあるよなぁー。」
「別に好き嫌いは無いけど強すぎるのはどうかと思ってしまう。」
「まぁ、確かに。どんな香水でもかけすぎると、ツンとくるかもなー。パーティーで気合の入った子達に囲まれた時とかやばいもんな」
「君は確かにね。よく囲まれているものね。僕は、パーティーではロゼリアの隣をキープし続ける事をミッションとしているし、ロゼリアに集中してるから、そんなに気にならないんだよね。なんせパーティーでは着飾ったロゼリアと四六時中共にいても許される場だからね。」
「婚約者最優先な心情で公務をそつなくこなせてるのすげーな。」
「もちろん。ロゼリアの前で僕がヘマするわけ無いじゃ無いか。ロゼリアの為ならどんだけでもカッコつけるし、ロゼリアの中で1番有能でありたいと思うからね。はっ。今ものすごく、ロゼリアの香りが嗅ぎたい。肺いっぱいにロゼリアを堪能したい。ロゼリアー!」
「お前のおっもい愛を受け止め続けてる婚約者様はマジスゲーわ。ロゼリア様流石だな」
「ロゼリアは僕の女神様だからね。時には聖母の様な慈愛で僕を励まし、時には姉の様に僕を諭し、時には妹の様に可愛らしいあどけなさがあるんだ」
「お前婚約者の事家族みたいに思ってるのかよ。ちょっと引くわ。生まれる前から決まってる婚約者同士だからか。」
「ふふふ、僕はちゃんとロゼリアに恋しているし愛しているよ。そんな慈愛に満ちたロゼリアにどこまでも触れて良いのは配偶者の特権だからね。僕はロゼリアのどんな表情も愛しているんだ。」
「ただの変態だったか」
そんな会話をしながら放課後の廊下を歩いていると、進行方向から1学年の学年カラー色のリボンを着けた女生徒2人が歩いてくるのが見えた。
すれ違う時にクラウスが声をかける。
「ちょっとそこの美しいお嬢様方、僕の婚約者のロゼリアが今どこに居るか知っていたら教えていただきたいのだけれど」
「ロゼリア様は放課後、学友の方々と喫茶店にいらっしゃる事が多いですわ。」
「私、先ほどこちらに向かう途中、学園併設の喫茶店のテラス席でお見かけしましたわ。」
「ありがとう。助かったよ。足を止めてしまって悪かったね。今どうしても無性に愛しの婚約者に会いたくなってしまってね。君たちも素敵な放課後を過ごせるように願っているよ。」
少女達と別れ足を進める。
「クラウスって本当、婚約者ラブな事堂々と言うよな。照れるとかねーの?」
「何事においても素直な根回しというのは強いものなのだよ。僕だって、一般的な人が婚約者だったらこんなに、なりふり構わず行動はしないよ。君も知っているだろう。ロゼリアだよ。彼女は規格外なんだ。この国の未来の国母はすごい人材なんだよ。正しく女神と言って良いくらいだ。彼女は人に好かれる。そして彼女に好かれようと、皆穏やかで人徳のある人間になろうと努力する。男女関係なく。」
「確かに。ロゼリア様の周りっていつも幸福そうだもんな。ロゼリア様が穏やかだからだと思ってたわ」
「ロゼリアの周りにいる人が皆最初から有能なわけでも無かったし、陰口を言わない穏やかな人って、わけでもなかった。ただ、ロゼリアと一緒にいると有能であろうと努力し始めて、損を口にしない人材になろうとし始めるんだ。」
「ロゼリア様が褒めてくれる方向へ流されていき、ロゼリア様が望まれる言葉遣いを使い始めるってことか」
「そうだ。ロゼリアは人を褒めるのが上手いし、人を導くのが上手いんだ。そして、権力に関係なくフレンドリーに声をかけて、否定的な言葉を使わない。未来の我が国の国母はそんな人なんだよ。そんな人の隣に立つのは僕だ。なりふりなんて構ってられないよ。何事においても出来ることは全部すると決めているからね。」
「なるほどな。クラウスがそういう性格になったのも、なんか納得だわ。」
「お褒めに預かり光栄だよ。努力の代わりと言ってもなんだけど、ロゼリアを一番近くで堪能出来るのも僕だ。ロゼリアを抱きしめた時のあの匂いと感触が、仕事を頑張った今の僕への最高のご褒美なんだよ。だから僕は遠慮なんてする気は無いよ。」
「なるほどな。」
乙女ゲームの舞台となる魔法学園に入学してから2年がたった。ゲームのシナリオとなった学年生活も何もなく過ぎてしまった。
私の婚約者である王子様は、変わらず私の隣にいます。
登校時には迎えに来てくれて一緒に登校し、昼休みはいつも一緒に過ごし、放課後は婚約者様は生徒会へ行き、私は図書館で本を読んだり宿題をしたり、友達とカフェや喫茶店でお茶会したり、楽しい学園生活を送っている。婚約者様は、生徒会の活動が終わった後、迎えに来てくれてそのまま下校する。
休日は王宮で勉強したり、お茶したり。たまに街や他の都市に視察に行きます。婚約者様は視察も街歩きも全部デートと言い、毎回誘い文句を伝えてくれます。
そんな日が入学から続いている。
ヒロインちゃんは乙女ゲームのイベント起こってないのかな?って思って、人伝に聞いたり、観察したりしてみれば、他の攻略対象キャラのイベントはちゃんと起きてるみたいだし、キャラの中には主人公ちゃんを好きになってる子も何人かいるらしい。って女子グループの噂話で聞こえてくる。
陰ながらヒロインちゃんの恋も応援している。
私、前世から恋愛物語大好き。友達と話す恋バナも好き。だから、学園中の恋を陰ながら応援してるわ。
HP回復用の溺愛だけのお話。




