0022.優しさが嬉しくない時
いつものカフェでいつもの注文
いつもの席に座ると 窓の外には見慣れた風景
そしてテーブルの向こうには きみのいつもの笑顔
だけどそこにわずかな陰りがあることに 気づかない方がいいのだろうけど
ずっと前からわかってはいた
心の中でなにかを 抑えているよね
きみはなにかを抱えていて きっと苦しんでいる
それはなんとなくわかるけど それをきみは話してはくれない
きみはとても優しくて きっとわたしに負担をかけたくなくて
その笑顔の下に 隠してしまっているのだろう
だけどそれがわたしを 寂しくしてしまう
聞きたいけれど あえてだまっているきみに
それに踏み込むことは わたしにはできなくて
なにかしてあげたいけれど なにもわからず なにもできない
隣のテーブルでは ふたりの女の子が向き合って座って
なにかを見て お腹を抱えて笑っている
面白すぎて死んじゃいそう とか言ってなんの曇りもない澄み切った笑顔
きみにもあんな笑顔に なって欲しいのに
わたしはきみを支えてあげたいと 思ってはいる
だからもっと頼って欲しいのに だけどきっと
きみにはわたしは 頼れる存在ではないんだろう
ストローでグラスの中の氷を回すのも その手がなにかぎこちなくて
きみの目に映るわたしの顔も きっと曇ってしまっているだろう
いつかきみは 話してくれるだろうか
きみの一番近くにいる一番頼れる人に わたしはなれるだろうか




