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長編は書くのも読むのも大変なので詩を書くことにした。  作者: ゆくかわ天然水


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19/22

0019.君と夕日と遠い記憶

街路樹の木漏れ日が揺れる緩い坂道を登っていく 高台にある見慣れた公園 

芝生のベンチからは 静かな街並みの向こうに新緑の森と高く澄んだ空

今日もまたひとりで 色づいていく空を眺めてる

あの日ここできみと出会ったのは単なる偶然で

同じことが都合よくまた起こるなんて 

感傷にすぎる浅はかな期待なのは わかっているけれど


はるかに遠い過去のはずなのに 昨日のことの様に思えてしまう

きみと見た夕日はいつだって わたしのまぶたには眩しい笑顔と共に残っていた


手を繋いで二人で歩いた帰り道 後ろの長い影も仲良くくっついていた 

君はいつだって 自慢話ばかりしていた気がするけれど

男の子っていつだって 好きな子にはいい格好したいんだよね

いつもうれしそうに話す君の横顔が とても弾んて見えて

それがとても楽しかった


橙色に染まる西の空を 群青色の東の空が追いかける

きみを待つ時間は苛立たしいほど焦ったかったのに 一緒にいる時間は悲しいほどに早く過ぎていった

繋いだ手の柔らかい温もりが いつまでも残っているようで 

何年経ってもその優しく握ってくれた感触が わたしにきみを思い出させてしまう


はるかに遠い過去のはずなのに 昨日のことの様に思えてしまう

またもう一度会えたとしても あの頃のようにきみと向き合えるだろうか


月日はきみとわたしを変えてしまったかもしれない 

時間が二人の間に距離を 作ってしまっただろうか

日が暮れるまでふたりで遊んだ語り合ったこの公園は

今でもずっと変わらないのだけれど


まだ薄明かりの残る西の空 見上げれば色を失った空にいくつもの星

さよならをうまく言えなかったのが心残りで 

再会を願った気持ちも 君には伝わっていたのか気がかりで

この場所を何回訪れても そこにいるのは滲んだ思い出だけ

いつかそれも色褪せて ただの遠い記憶になってしまうのだろうか


いつまでもきみの幻影を見ているわたしは

悲しいほど感傷的で きっととっても滑稽に見えるだろう


きみはいまどこで 何を見て何を思っているのか 

わたしが知ることは無いのだろうけど

あの頃のことをきみも懐かしく 思い出すことはあるのだろうか



黄昏の中から足音が 聞こえたような気がして振り返る

街灯の明かりが微かに照らす人影は 何かに気づいたように立ち止まる


離れ離れだった長い年月もふたりの間では すぐに飛んでいってしまうのかもしれない

遠くかすんだ思い出は きっとすぐに新しい思い出を紡いでいく


再び繋いだ手の温もりはあの頃と 変わらず柔らかいままだった

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