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シャルちゃんプレゼント

作者: 筐咲 月彦

???「……マズいよ! 街が大変なことになってる!!」


???「ホントだ! 隣のお姉さんも裏のおじいちゃんも、お向かいの家族も家から出てきてるね。みんな何を抱えてるんだろう?」


???「アレは……ホームベーカリーだよ! 全員がホームベーカリーを持ってる!」


???「え、そうなの? 遠くてあんま分かんないや」


???「いやイチカちゃん! ここは話の流れ的にそういうことなんだよ!」


イチカ「あ、そういうやつね。え、ちなみにホームベーカリーってなんだっけ?」


???「ホームベーカリーは家でパンを作れるやつだよイチカちゃん! 各ご家庭の炊飯器が、魔法の力でホームベーカリーになっちゃったんだよイチカちゃん!」


イチカ「え、やば。ご飯食べたいってなったらどうしたらいいの? 土鍋? シャルんち土鍋あるよ」


???「そうじゃないよイチカちゃん! 受け入れちゃダメなのよ!! ここは事件解決してご飯の生活をみんなに取り戻すところだから!!!!!」


イチカ「しゃうたむうるさwww」


しゃうたむ「うるさって何よww 話進めようとしてるんだけどwww」


イチカ「あ、メタいこと言わないでよ、ダメなんだよそういうの!」


しゃうたむ「いやイチカちゃん、このままじゃ話進まないから。つまりね、イチカちゃんが飼ってたルータムって名前のフクロウがコーヒーの妖精に取り憑かれて、世のご飯派をコーヒーに合うパン派に塗り替えようって画策してこんなことになってるってわけよ」


???「フハハハハハ! その通り!!」


しゃうたむ「この声は……!?」


イチカ「フハハハだってww そんな笑い方聞いたことないんだけどw」


???「イチカちゃん! キミがどれだけご飯が好きでも、美味しいご飯を炊くことが出来ても、コーヒーには白米は合わないんだ!! 世の中をパン派に変えるしかないんだよ、コーヒーのためには!!」


しゃうたむ「ルータム! 正気に戻って!」


イチカ「え、別にシャルおにぎりにコーヒーでも良いけどなぁ」


ルータム「くっくっく、もう既にこの辺一帯の炊飯器は死滅した! もうご飯派が逆転する目は潰えたのだ……!」


しゃうたむ「貴女だって、いつも白米を美味しそうについばんでいたでしょう? 思い出して、ルータム!」


イチカ「ねぇねぇ、おにぎりにシチューとか牛乳とかイケるほうなんだけど。コーヒーもさ、ブラックはあんまりだけどカフェオレとかなら有りじゃない?」


ルータム「……パンは良いぞぅ。食感も腹持ちも軽いから色んなパンが一度に食べられる。特に白米には合わせにくい甘味の具があるからこそ、苦いコーヒーが合うんだ」


しゃうたむ「……じゃあ、お味噌汁はどうなるの!? 逆にパンには合わないお味噌汁や緑茶はなくなっても良いっていうのね? そんな自分勝手、許されるわけない!!」


イチカ「わかる!! パンにお味噌汁合わないよね。前にさ、その組み合わせで食べるってなったとき、パンは他の子にあげてわざわざおにぎり買ってきたもんね」


ルータム「……」


しゃうたむ「……」


イチカ「え、でもさ、シャル炊飯器なくても土鍋なくてもレンジあったらご飯のが良いなぁ。普段炊飯器で炊いてても、パックのご飯絶対切らさないからね。あ、ウーバーでも良いし海鮮丼あれば」


ルータム「……待って、しゃうたむ。しゃうたむ待って!!」




―――――




イチカ CV.シャルロット(以下シャル)「?? え、シャルしゃうたむじゃないじゃん。いちかちゃんがしゃうたむでしょ?」


ルータム CV.るかこ(以下るかこ)「そうだけど! 待って、いったん待って。今のほぼ雑談だったから! 場面的には敵同士がついに顔を合わせてバチバチしてるとこよ?」


しゃうたむ CV.いちか(以下いちか)「アッハッハッハ! あー、おっかし! シャルちゃん自分で何回か“シャル”って言ってたからね」


シャル「え、ホント? ごめん全然気付いてない」


いちか「んでシャルちゃんどんだけ海鮮丼好きなのよww たしか今日集まる前も海鮮丼食べたんじゃなかった?」


シャル「そうそう! だってさ、今さ、マグロ丼のフェアやってんの! 頼むしかなくない?」


るかこ「マグロ丼は美味いよ。マグロ丼は正義。十字軍だよね。でも待って、そんなマグロ丼を守るためにも、しゃうたむはパン派の侵攻を止めなきゃいけないわけよ」


シャル「十字軍ってなに?」


いちか「え、わかんない。何が十字なの?」


シャル「わかった! 朝ごはんが十時ってこと!?」


いちか「あ、そっちの十時? でもシャルちゃん十時は起きてなくない?」


シャル「そうなのよ!! だから朝ごはん食べられないから、十時軍には入れないわけ。つまりシャルで言ったら十三時軍ってことになるから、ま、そこは戦争よね」


いちか「ヤバww それで戦争なのwww」


シャル「そりゃそうよ!!! 無理やり起こされて、さぁ食えなんてほぼ拷問だからね!?」


るかこ「シャルちゃん、つまり十字軍は十三時軍と戦争してるの?」


シャル「十三時軍だけじゃないよ! 十四時軍とも十五時軍とも戦ってるね」


るかこ「え、でも待って、逆に九時軍とか十一時軍は十字軍の味方なんじゃない?」


いちか「wwwwwwwwwww」


シャル「いや……十一時軍は十三時軍の味方だね、ギリ」


るかこ「マジかー! 十字軍の味方けっこう少ないんだ」


シャル「そうなの! だってシャル的に早めに寝たら十一時に起きることはあるからね。でも十時はムリ!! 敵よそんなの!!」


いちか「やwめwてwwwww お腹いたいwww」


るかこ「おーけーシャルちゃん、この話やめよっか。いちかさんが死んじゃうからw」


シャル「うん、わかった。え、なんの話してたっけ」


るかこ「あのー、そう、今はポムの会の十周年企画として『炊き立て! しゃうたむ』の自主アニメ製作の脚本を考えてたんですよ。で、アドリブの方が面白い脚本になるっていちかさんが言い出して」


いちか「はーっ、はーっ。あー笑った。そうそう、それでやってみたけど、やっぱりクソ面白くなったねー」


るかこ「いやクソ面白かったけども!! なんもストーリー進んでなくない!?」


シャル「そうなの? ホントにシャル何も聞かされずに始まったんだけど、ストーリーあったの?」


いちか「そうそう、一応ね。るかこと話して映画版みたいな感じが良いかなって」


るかこ「アニメ前提の映画みたいに色々すっ飛ばしても良いかなって、ここ二人で話してたんですよ」


シャル「え、ズルい、なんでシャルも呼んでくれなかったの!?」


いちか「いやごめんねー、なんていうかさぁ……なんか通じ合ったよね」


るかこ「そうそう、暗黙の了解的なものでシャルさんは何も知らないまま放り込むのが面白いかなって。実際この二人が集合時間ちょっと前に揃ってる時点で運命の導きのようなものを感じませんか? んで、シャルさんが来てからも二人して頑なに内容言わなかったですしね」


シャル「えー、なんか仲間外れにしてない?」


いちか「シャルちゃん! いや、しゃうたむ!! それは絶対にないから!」


るかこ「そう! いやマジで、それだけはない!」


シャル「そう? シャル騙されてない?」


いちか「シャウタム! ないから! シャウタム!」


るかこ「そうですよ! 我々は、シャウタム! を広めることしか考えてないからね!!」


シャル「うーん、それならいいんだけど……」


いちか「シャウタム! 信じて!!」


るかこ「シャウタム!!」


シャル「もーっ、それ言いたいだけじゃん!」


いちか「バレたwwww」


るかこ「www いやなんにせよ、さっきのはさっきので録音残しておくとして、もうちょっと設定詰めましょうか」


シャル「前に話したときのこと、シャル全然覚えてないんだけど。シャルがイチカちゃんで、いちかちゃんがしゃうたむなんでしょ?」


いちか「そう、なんか逆らしいね。なんでだっけ?」


るかこ「シャルさんが、マスコット的なポジションの声を当てる自信がないとかでしたっけ。出来ると思うけどなぁ」


シャル「いーや絶対出来ないね! そのせいで上手くいかなくてもシャル責任取れないもん!!」


いちか「責任もなにもないのよシャルちゃん、ポムの会の記念で出すだけだから」


るかこ「そう、最悪再生数伸びなくても我々が楽しんで作ればね。いやメチャクチャ面白くなるんで伸びますけどね、間違いなくコレは」


シャル「そこなのよ! ポムの記念なのにしゃうたむで良いの? シャルの名前が一番目立ってるじゃん。三人じゃなくてシャルがメインみたいになってない? シャルじゃないけど。しゃうたむだけど」


いちか「良いんじゃない? だってポムのセンターってシャルちゃんだもん」


シャル「センターなんて決まってたっけ?」


るかこ「なんていうか立ち位置的な話じゃなく精神的にというか、集まるときに言い出してくれるのって十年前からずっとシャルさんですからね。センターというかリーダーというか。リーダーっていうとシャルさん的に違うか」


シャル「え、やだ。リーダーとかムリ」


いちか「でもでも、旅行のスケジュール決めるのも引っ張ってくのもシャルちゃんでしょ」


シャル「それってリーダー? 参謀とかじゃないの? なんか、副長とかさ」


るかこ「いや、参謀は私やるよ。私じゃない? キャラ的にさぁ」


いちか「じゃあ私副長やるわ」


シャル「えーっ、そしたら何が残ってるの? シャルなにも出来ないよ!?」


るかこ「何も出来ないってルフィじゃん! アーロンパーク編のルフィじゃん! やっぱリーダーだってコレ。むしろ船長だわ!」


いちか「ww いやでも、実際そやとるかこが左右からシャルちゃんを支えてる画が一番それっぽいんだよなぁ。私がポムの絵描くときもその構図になりがち」


シャル「えー? そうかなぁ……」




るかこ「これはね、本当だよ。シャルちゃんいなかったらポムは成り立ってないから。いちかさんと二人だとしたら、たぶん信頼出来るパートナーにはなれても友達までいってなかったと思う」


いちか「あー、それ分かるー。るかこと考え方っていうか合理的な部分が似てるから話のテンポ早いんだよね、ポンポンポンって一つ飛ばしに階段登る感じで。仕事モードのときマジで余計な会話しないときあるもんね。友達までなってなさそうなの分かるわー」


るかこ「だからね、シャルちゃん。『炊き立て! しゃうたむ』のアニメ製作はちょうど良いネタっていうだけじゃなく、センターがどうとかって話も関係なく、最初言い出したのも話がまとまったときにもたぶん、シャルちゃんが喜ぶことしたいなってこっちの二人とも考えてたんだと思う」


いちか「言い出したのがそやで、乗っかったのがるかこだっけね。シャルちゃんは今だけじゃなく最初っから、コレでいいの? って態度だったけどさ。むしろコレ以外ないだろ!! みたいな気持ちでガチでやってるからね、私たち二人は」


るかこ「そう、本気でやってっから。さっき本気でフハハハハハってやったからね、私w」


いちか「www そうそう、そやも最近ヒマな時間全部コレに注ぎ込んでるまである!」


るかこ「だからね、シャルちゃん。ありがとう」


いちか「うんうん。ありがとう、これまで三人を繋いでくれて。で、おめでとうね」


るかこ「そうだね、おめでとうもだ。いちかさんにもおめでとう、私にもおめでとう。お祝いにこのアニメーションを、三人で、三人に贈ってあげよう」


いちか「おっ、ありがとー! るかこも、おめでとうー! あ、シャルちゃんシャルちゃん、ほら、笑って!!」


シャル「……えームリー、シャル泣いちゃうんだけど」


るかこ「アッハッハッハ、ですよねぇ」


シャル「泣かそうとしてるでしょー絶対。ムリなんだけどー」


るかこ「ふふふふ、こういうのもなかなか恥ずかしいですけどね。たまには儀式的にね、こういうのもやっていかないとマンネリ化しちゃうんで」


いちか「またまたー、それも照れ隠しでしょーがっ。付き合い長いんだから今更そういうことしないの!」


るかこ「やめてよそういうのバラすの!! そこはツッコまないのが花ってもんじゃないの!?」


いちか「るかこ! ダメよ! そういうのシャルちゃんには伝わらないから!! さらけ出していかないと!」


るかこ「あーそうか、そうだな確かになー! すいませんシャルさん、自分素っ裸になるわ! 気持ちのブラ外していくわ!」


いちか「ブwラwwww」


シャル「??? どうゆうこと? え、バカにしてる?」


るかこ「してないしてない!! お祝いにブラ外すだけだよ、見えない気持ちのブラを」


いちか「見えないブラとかww 裸の王様じゃん、ノーブラじゃんwww」


シャル「え、るかこノーブラなの? ブラトップでいいからした方がいいよ」


るかこ「そうだね……わかった、心のブラトップ着るね。心のユニクロ行ってくるわ!」


いちか「心のユニクロってなんだよww あ、でも心のウルトラライトダウンちょっと欲しいわ」


るかこ「あー、めっちゃ温かそう。貴女の傷ついた心に……ユニクロの“ウルトラライトダウン”つって、ふぁさって掛けるCMあるわ。昨日見た」


いちか「でもそれ、心のユニクロでいいの? また私服ダサい説出ない?」


るかこ「ダサくねえから!!? あれホンマなんなん!? 十年経ってもたまに言われるんですけど!!!」


シャル「ねー? シャルずっとダサくないって言ってるのに無くならないんだよね。リスナーさんにずっと言ってるんだよ?」


いちか「そうだね、シャルちゃんはずっと言ってくれてる。優しすぎるわー」


るかこ「ホントそう! シャルちゃんは優しすぎる!! ワンチャンそれが理由でいじられてるまであるもん。シャルちゃんがどうせフォローしてくれるんだろって」


いちか「あー、ねー。そやの忘れ物もシャルちゃんが居ると治らんとか言われんの」


シャル「え、ダメかな? シャルやり過ぎてる?」


るかこ「いや全く悪くないですよ。シャルさんは何も悪くない。でもたまに厳しいシャルさん見たいリスナ-さんは居ると思うんですよね」


いちか「あ、わかるー! シャルちゃんだからこそイジメられたいみたいなの私もあるわ。こないださ、また財布忘れて遊びに行ってさ、スマホ決裁あるのにあえて最初のほう奢って貰ったからね。ガチ目にキレるシャルちゃん見てみたいなって」


るかこ「キレシャルね、はいはい」


いちか「でもさぁ、プリプリしながらも全然嬉しそうでさぁ! 仕方ないなぁって言いながら奢ってくれてさー。も、すーぐに罪悪感湧いちゃうんだよねシャルちゃん相手だと」


るかこ「わかるー!! 私も他のメンバーの子ら相手だと奢る方が割合としては多いはずなんですよ。なのにシャルさんだと押し負けるんですよね。んで申し訳なくて毎回奢る奢られるの押し問答するの。マジ天使だわー」


シャル「悪魔なんですけど!?」


いちか「いやもうムリだから! そのネタ通用したの五年前までだってww」


るかこ「いつまで経っても受け入れないですよね。いや分かるんですよその拘りも、大事にしてるのも。でもさすがに島村エンジェルを否定出来ないって言いますか。改名します?

島村エンジェルロットにw」


シャル「……バカにしてんの?」


るかこ「いやいやww あっ!! ていうかシャルさん!! もう二十分も経ってる!! アドリブでも雑談して打ち合わせでも雑談してたら進まないですよ!」


いちか「いやマジでそれな!!w シャウタム! 進めようここは!」


るかこ「シャウタム! 今こそ世界を救うときだよ、シャウタム!」


シャル「……騙されないからね」


いちか「騙してなんかないよ! ねぇ、ルータム?」


るかこ「そうだよ! ねぇ、ソヤタム?」


いちか「いやそこはいちかちゃんで良いでしょうがw」


るかこ「ああ、そうかw んでまあ、さっきの流れで世界の危機……パン派の侵略をどうにかしていくわけだけど。あれやこれやあって、最終的に必殺技でドーンといきたいですよね」


シャル「あれやこれやってなに?」


いちか「あれやこれやはあれやこれやだよ、シャルちゃん。そこはアドリブでいこう!」


るかこ「またアドリブですかw 懲りないなアンタww」


シャル「シャルアドリブ苦手なんだけどなぁ。ちゃんと話して決めない? 十周年企画でしょ?」


いちか「そこを決めるためのアドリブだから。大丈夫、詰まっても変なこと言っちゃっても私たちがなんとかするから! やり直したって良いしね。ていうかさっきのも止めはしたけど最高だったんだよなぁ」


るかこ「まぁね、そこはこれまでの関係値を信頼してもらって良いですよ。それに演劇の世界でもこういう即興劇や、即興劇から脚本を作っていく手法ってあるんですよね。演者が予想がつかない中で作り上げるからこそ、視聴者側も驚きがあるっていうね」


シャル「そうなの? ……わかった、うん。あ、でもシャルがイヤなとこは使わないでね、絶対だよ?」


いちか「もちろん!」


るかこ「ええ、当たり前ですよ。しっかり推敲しましょう、そこはね」


シャル「じゃあいいよ。アドリブ頑張る!」


いちか「ぃよっしゃあ! じゃあ、るかこの『フハハハ』から始めよっか!ww」


るかこ「は!? いやソレはズルくないですか!?」


いちか「いやいやるかこ、シャルちゃんにだけ頑張らせてそこで逃げるのはないでしょうよ。ないわ~、ねぇシャルちゃん?」


シャル「そうだそうだ! 悪役っぽく笑えー!w」


るかこ「ズルっ!! シャルさん味方につけるのいっちゃん卑怯なんですけど!?」


いちか「ほらほらー、早くしないとせっかくシャルちゃんがヤル気出してくれてるのになぁ~、始まらないなぁ~~~」


るかこ「くっっ……分かった、分かりました。行きますよ。フハハハハはずっ!……フハハハハハハハハハハハハハハハおい宗谷いちか入ってこいよ!!!!!」


いちか「wwwwwwwwwゴメンてwww」


シャル「www いよっるかこ! かっこいいよ!!」


るかこ「やめてよシャルちゃん! 余計ハズいから!!」


いちか「おっけーごめん、こっから立て直すわw ……ふぅー、こっから私しゃうたむね」


シャル「うん、シャルがイチカちゃんだ」




―――――




いちか:しゃうたむ「えっと……これ以上好きにさせるわけにはいかないわ、ルータム!」


シャル:イチカちゃん「あの頃みたいに戻ってよ! お米好きだったあの頃に!!」


るかこ:ルータム「ふん、もう遅い!! すでに周辺の主食は我が軍門に下った。米だけではない、パスタも、ラーメンもだ!!」


いちか:しゃうたむ「え、ラーメンも? えぐ、つよ。なんかお米ってパンには勝つけどラーメンには負けそうじゃない?」


シャル:イチカちゃん「そんなことないでしょ! お米しか勝たん!! 炊飯器を取り戻して、もともとホームベーカリーだったところも炊飯器にしてお米しか炊けないようにするの!!!」


るかこ:ルータム「それやるともう侵略なんですよねw そこまでやったらもう戦争はお互いの正義がぶつかり合う的な教訓を含んでしまうので、出来たら勧善懲悪の方が良いんじゃないかと」


いちか:しゃうたむ「アハハハ! 確かにww やってることお米の悪魔って感じ……そのまんまかww」


シャル:イチカちゃん「ちょっと! しゃうたむはどっちの味方なの!? そんなこと言うなら炊飯器買い替えるよ!!?」


いちか:しゃうたむ「あぁ、ごめんごめんww えっと、しゃうたむしゃうたむ……じゃあこうなったらイチカちゃん、ルータムを倒して正気を取り戻させるしかないよ!」


るかこ:ルータム「ふふふ、出来るかな? 私の力は増やしたホームベーカリーによって増幅されて、すでに以前の数百倍! 街中でエキナカにしかパン屋がなかった頃とは違うのだよ!!」


いちか:しゃうたむ「くっ、どうしようイチカちゃん!?」


シャル:イチカちゃん「どうしようって、え、どうしよう。闘ったらいいの?」


るかこ:ルータム「お、やるかぁ? しゅっ、しゅっ!」


いちか:しゃうたむ「全然勝てる気しないんだけどww 二人がかりでも一瞬でしょww」


シャル:イチカちゃん「絶対そうw シャル小指で倒される自信あるww」


るかこ:ルータム「じゃあどうするんです? 説得でもしてみます?」


シャル:イチカちゃん「うーん……あっ、シャル海鮮丼好きなんだけどさ、パンじゃお刺身に合わなくない? 困るんだけど」


いちか:しゃうたむ「それじゃ説得とかじゃなくてクレームなんよw」


るかこ:ルータム「なるほど確かに……いやでも、洋食でもサーモンのカルパッチョとかありません?」


シャル:イチカちゃん「えー、海鮮丼は醤油でしょ? パンだと醤油が染み込んでじゅわじゅわになるししょっぱいと思う」


るかこ:ルータム「そうだね。でもじゃあ、ご飯だとしても温かいご飯に冷たい刺身が合わないって言う人居ませんか?」


シャル:イチカちゃん「え、合うよ」


るかこ:ルータム「ええ、好きな人は多いと思うんですけど、合わないっていう意見も」


シャル:イチカちゃん「合うと思うんだけどなぁ。だってさ、他は温かい具の丼ばっかりなのに海鮮丼は生き残ってるんだよ? すごくない!?」


るかこ:ルータム「シャr……イチカさんが好きなのは知ってるんですけど一般的な話で」


シャル:イチカちゃん「えーっ、シャルは合うと思う! 毎日でも良いもん!」


るかこ:ルータム「……そうなんですよね、合うんですよ。合わないわけないんだよなぁ」


いちか:しゃうたむ「押し負けたwwwwww」


シャル:イチカちゃん「え、だよね! だから、海鮮丼食べられないのは困るから、炊飯器を返してください!!」


るかこ:ルータム「おーけい、そしたら、そうだな。海鮮丼のときのみご飯を許可して、それ以外はパンってことでどう?」


シャル:イチカちゃん「んー……おにぎりもダメ?」


るかこ:ルータム「分かった! 仕方ないからおにぎりも許しましょう!!」


シャル:イチカちゃん「え、じゃあそれならいいかも?」


いちか:しゃうたむ「いやいやいやいや、ダメでしょそれじゃ!!!www」


シャル:イチカちゃん「え、ダメかな?」


いちか:しゃうたむ「ルータムも譲歩してんじゃないわよww」


るかこ:ルータム「たしかにww 戦争してるんだったw」


いちか:しゃうたむ「こうなったらもう仕方ない! みんなのお米への愛を結集して、必殺技を出すしかないよ、イチカちゃん!!」


シャル:イチカちゃん「え、そんなの出るの。すご」


るかこ:ルータム「フハハハハ、そんな愛など集まるわけがないだろう……! なんてったって、炊飯器の代わりに配られたのは最新式のホームベーカリーなのだ! 前日に材料を全部入れておくだけで、翌朝には焼きたてのパンが食べられるという優れモノ、少なくとも一週間はその魅力に取り憑かれることだろうよ。ご飯だったら思いたって四十分で炊けるんだということに気付くその日まではな……!!」


いちか:しゃうたむ「だいじょうぶ! イチカちゃん、信じて!! 僕たちの、お米愛を!!!!!」


シャル:イチカちゃん「え、うん、信じてるけど。シャルなにしたらいいの?」


いちか:しゃうたむ「さぁ、叫ぶんだ!! キミが思う必殺技を!!!!」


シャル:イチカちゃん「ええ!!? なにそれ知らない、聞いてないよ!!」


いちか:しゃうたむ「早く、早くするんだ! ぐおおおおおっ、パワーが、溜まって、きたああああ!」


シャル:イチカちゃん「むりむり! そういうの苦手だもん!!」


るかこ:ルータム「なるほど! 炊飯器の妖精であるしゃうたむの主体は炊飯器の所持者であるイチカちゃんで、そのイチカちゃんの意思を込めた叫びによって、その愛を核として街中からエネルギーを集めて解き放つってわけね!! そんなもの効くわけなかろう!!」


いちか:しゃうたむ「説明ww そういうことだよ、イチカちゃん! さぁ!!」


シャル:イチカちゃん「え~……なんでもいいの?」


いちか:しゃうたむ「もちろん! あ、あ、漏れちゃう~、早くしないとエネルギー出ちゃうよぉー!ww」


るかこ:ルータム「やめなさいw そんなのに当たりたくないからww」


シャル:イチカちゃん「う~~~ん、じゃあ……『お米ライスパワーエナジー! シャワー! ミラクルスマッシュ!!』」


いちか:しゃうたむ「www お米ライスパワーエナジー、えっとシャワー、うーんと……くらえーーーっっ!!!」


るかこ:ルータム「ぐあああああああああって待ってww 待って、しゃうたむ。しゃうたむ待って!www」




―――――




るかこ「だっさ!! 必殺技だっさ!!!!!ww」


シャル「なんでも良いって言ったじゃん!! シャルなりに考えたのに!!」


いちか「いや、シャルちゃんは悪くないよ! これで倒されないルータムのが悪い!!」


るかこ「そりゃ悪役なんだから悪いんですけどね。なんでしたっけ、お米ライスパワー……お米とライスが被ってるし、パワーとエナジーも被ってるんですよねww あとですね、コレ、前の文脈からシャワーって言われたらちょっとマズいんですよw」


いちか「たしかにww」


シャル「??? これ言う前って何の話してたっけ?」


いちか「聞いてなかったかー! おっけー次の話いこう、またシャルちゃん普通に自分のことシャルって言ってたくない?」


シャル「え、言ってた!? ごめんホント無意識だわ」


るかこ「もう良いんじゃないですか? イチカちゃんの一人称が“シャル”ってことでw」


いちか「なんでだよ! おかしいだろww」


シャル「……? ……!!」


いちか「www ……!?」


るかこ「……、……w ……!」


???「ww」


???「……wwww」


???「……!!www」


???「……」


???「……」


???「……」







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