物憂い朝
ジリリ ジリリ、とうるさく目覚まし時計がなっている。また朝がきたのだ、なんと物憂い朝。渋々ながら時計を止め、おもむろに起き上がった。といっても、この男(花巻 大成)には別に今日の予定なんてものは無い、というよりもいつもなくただダラダラするだけなのだが、母親の言いつけで毎日同じ時間に起きるようにしているだけだ。
同級生は高二の一学期くらいである。彼が不登校になってから半年は経ってないくらいなのだ。ただ彼は週1の火曜日に先生の訪問により家にくるのがなんか負けた感じがして嫌なので、週1だけは学校に行くことにしていて、それが今日なのだ。
「学校だるいなぁー」
と言っても母親はとっくの前に仕事に行っていて、反応してくれる人もいない。
学校には絶対に同級生と会わないように1時に着くようにしているので、午前中は暇である。一昨日課金をして怒られたスマホゲームで時間を潰しているとLINEの着信があった。今唯一友達と呼べる存在である、高一の頃同級生だったタケルである。タケルとゲームの話などを二言ほど喋っていると時計は12時を回っていた。学校までは家からチャリで飛ばしても30分はかかるので、急いで棒アイスを口に放り込み、家を出た。