童貞の推察
とある童貞のDの推察
女の子のスカートの中はブラックホールだと思う。
冗談を言っていると思うかもしれないが、本当のことだ。
語弊を産む言い方をするが、偶々女性のスカートの中が見えるというハプニングに見舞われたのだ。
顛末は至ってシンプル。
駅の階段で、十数段先に女子高生、その下に僕という構成。
僕は階段を昇る時、上を見る癖があるのだが、それで見えてしまったのだ。
彼女の白い太腿の根元からは、漆黒の闇が覗いていた。
それで、見てしまったという一抹の不安を抱えた一方で、まるで吸い込まれそうな…ブラックホールに魅了されていた。
その瞬間、時が止まった。
例えなどでは無く本当に起こったのだ。
階段を昇り切った後、公衆トイレに籠り、物思いに耽った。
そして涙が零れた。
何故だかは分からないが、ただ一つ美しかったのだ。
芸術に関心の無い僕でも分かるほどに美しかった。
もう二度と会えないかもしれない美に、心を穿たれたのだ。
ただその黒は、スパッツなのでは?なんていう冷たい意見が聞こえた気がするのだが、そんなことは無い。
断言出来るほどの自身は無いのだが、これだけは言える…
女性はやはり美しい。