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記録No.1 模擬戦3

「敵ミサイル3、回避不能と判断』


システムがアラームを鳴らしつつ、その弾を全角度対応型モニターで強調表示してくれている。


「あいよ…なるほど、これがプロの力ってとこか…」


俺は旋回や上昇下降を繰り返し、何とかシールドで受けた。

久方ぶりにシールドを使った。

普段は当たることなんてあるわけが無いので全く使わず、お得意のビーム80%カットも、180mm砲弾まで防ぐ装甲も、まるきり腕のお荷物と化していた。


「システム、目標までの距離は?」

「本隊までの距離残り600m、近接戦闘機と思われる3機のみ450m」

「おっけー接触まであと3秒だな」


思ったより近かったので少々焦ったが、いちいち慌てるほど俺も弱っちくはない。


「さぁ…」


1つ、言い忘れていたことがある。

この機体には、ひとつ特殊な機能をつけている。

俺がつけた、『オーバーシュートシステム』である。

これは、一定時間機体の出力を上げる、ありがちなシステムである。

ただ、これはとあるシステムの模造品に過ぎないので、完璧なシステムとは言えない。

そして、そのシステム発動の合図が━


「目標接触1秒』


俺は叫んだ。


「get down!!」


━『get down』

なぜこの合図かと言うと、これを実践で使った人の大半が、Gなどに耐えきれず意識を失う、内臓損傷など、安全性が急降下する、というのから来ている。

飛んだブラックジョークである。

ちなみに俺も実践で1度使ったが、小さい時からの英才教育の賜物か分からないが、特に問題はなかった。


「システム発動認証、機体出力600%』


シュミレーションと言えど、Gやらなんやらは人体に影響が無い程度で体感されるようになっている。

そのGが最大限に体に来る。


「っ…きくぅ…」


俺は先ず上昇し、旋回、その後急降下し相手に向かって射撃。

その間わずか5秒ほど。

かなり早い動きと言え、相手もプロだ、変わらず俺を捉え、俺の倍以上の弾丸を打ち込んできている。


「システム!翼部キャノン!」


避け回しては打ち込みまくっていたが、全くもってキリが見えないので主砲を出すこととする。

ちなみにこの機体はオプション装備が色々とつけやすい、というか俺がそのようにした。

今回はノーマル、つまりオプションは無しだ。

だがそれでも案外武装は多い。


「了解、エネルギー充填率50%』


今使おうとしている翼部キャノンは、普段は翼部と肩部の間辺りに収納されており、なかなか使わない。

俺も使おうと思わない、なんせえげつねぇ破壊力だ、撃ったら機体が後方に飛ぶほどの反動付きの。

敵の弾丸がまるで流星群のように、大雑把な2方向から飛んでくる。


「エネルギー充填完了』


その流星群の反対側、援護も飛んできた。

鮮やかな赤色の閃光、シャーロットの援護だろう。


発射(ファイヤ)!!」


俺もそれに合わせるようにキャノンを放った。


「…っっ…」


操縦桿、出力調整器を操る手足が震える。

そして視界は爆炎が見え、その後すぐに流星群が復活した。

すぐさま回避行動に移った俺に、


「報告:敵機体全機健在、ダメージはあった模様』


無慈悲な機械音声である。


「…さぁ突っ込んで終わらせよう」


俺はもう面倒になってきたので、ナイフを左手部に掴み、3機の敵にブーストを吹かした。

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