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記録No.2 エースパイロットVS3年目候補生

「らァッ!」

《ぬっ…》


一進一退、という言葉が自己主張を激しくする。

やはりエースの名は伊達じゃない、隙も暇も油断もありも出来もしない。

そしてシステムを起動せずに来たのを地味に後悔している。

こいつを相手し、尚且つウォール発生装置もぶっ壊さなきゃならない。

これは骨が折れる。


《ふんっ!》

「どわぁッ!?」


エースもこちらの動きを読み始めている、太刀筋を変えてきた。

今は何とか盾で防げているが、本格的に攻撃を喰らい始める前に何とかしないといけない、と思った俺は、


「…さぁて、お手並み拝見と行こう」

《何を抜かす…》


機体の体勢を戦艦の方へ向けた。

つまりやつに背中を見せるということだ。


《ぬ……貴様、敵の前で背中を向けるとはどういう事か、教えてやろう》

「へっ、着いてこられるならなァ!」


俺は即座に設定を開き、


「出力調整、ブラスター出力を全部推進器に回す!」


ブラスターを腰部の収納ユニットに仕舞い、ナイフを構えて戦艦に全速力で向かった。

位置的には俺が急降下するといった感じである。


《ほう?早いな》

「お褒めに預かり光栄だ…」


喋る余裕なんざ正直ないのだが…まぁ、ロマンと言うやつだろう。

そして、戦艦の方もこちらの急降下を確認したらしく、弾幕を張り始めた。

俺は自分の反射神経を信じて操縦桿を握りしめていた。


《ッチ、我は近づけぬな》


こいつぁありがてぇ情報だ。

どうやらただただ戦艦との一騎打ち…かと思ったら、弾幕が止んだ。

代わりにロックオン式のミサイル共が溢れてきている。


「…フレア炊いてる暇はねぇな、このまま行こう」


真正面から来ているが、それをスレスレでひたすらに(かわ)し、何とか戦艦の下へ回った。

ミサイルの熱烈なアタックはやまない。

その上、


「あぶっ!?」

《言ったはずだ、相手に背中を見せるということを教えると》

「絶てぇ当たってやんねぇよ!」


エースも本気で殺しにかかってきている。

こちらとしてもそんな簡単に死にたくないので、必死に戦艦の周りをカトンボのように飛び回り、逃げていた。


「よしみっけ!…たのはいいがッ…」


1つ目の発生装置を見つけた、のはいいのだが。

前述の通り、ミサイルとエースがこれでもかとまとわりついて来る。

機銃を撃っている暇がない。

どうしたものか、と考えた俺は、


「シャロ!今から送る座標に実弾で攻撃しろ!」

「んにゃ!?わ、わかった、待ってて…」


頼れる相棒に無線を送った。

あいつなら、恐らくちゃんとした援護をしてくれる。

俺の期待道理の働きをしてくれる、それがシャーロットだ。


《食らえい!》

「っ!?…こんのぉ…」


少し油断していた。

そこを野郎は見逃さず、剣撃を仕掛けてきた。

何とか盾で凌いでいるが、体勢的にとてもマズイ。

何がマズイって、このままじゃミサイルの餌食だ。

かと言って、強引に押し返すとやつのカウンターが来る。

(どうするッ…どうする…ん?まてよ?)

ミサイルなら、避けなくても、アレを使えば…

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