3話 シスターの人助け
サンダーウルフとの戦いに勝利した俺は、倒れるように眠った。婆さんも体力の限界が近かったようだ。
俺の横でグッスリと眠っていた。
だから驚いたんだ。
朝目が覚めると、そこは先程までいた草原ではなくて見たことがない部屋だったからだ。
部屋には温かな照明が使われていて、薪ストーブが体を温めてくれていた。
「ここは…?」
俺は辺りを見渡した。
すると婆さんの姿が無かった。
「おーい、婆さんやー」
返事がない。どういう事だろうか。
草原で眠っていたはずなのに、いつの間にか部屋にいて婆さんは消えている。
俺が頭を抱えていると、部屋の扉が開いた。
「あ!起きられたのですね!」
白いローブを纏った女が、俺を見てそう言った。
そしてすぐさま踵を返し
「早く知らせなきゃ!」
と走り去っていった。
それから程なくして
「爺ちゃん!」
聞き慣れた声が聞こえてきた。
扉が開いて現れたのは、やはり婆さんだった。
後ろには先程の女もいた。
「婆さん。ここは一体どこなんじゃ?」
「ここは教会って言う建物じゃ。わしらが倒れているのをこの人が助けてくれたようでな」
婆さんが女を見てそう話す。
女はニコッと笑い、
「初めまして!この教会でシスターをしているルナと申します!お2人を見つけた時はびっくりしました!!」
「そうかあなたが助けて…」
私はベッドから立ち上がり
「ありがとう」
と握手を求めた。
シスターは私の手を握り
「シスターとして、困っている人は放っておけませんから!」
と胸を張っていた。
「もうすぐ朝飯ができるぞ、はよ来い」
婆さんにそう言われ、俺達は居間に向かった。
「おぉ〜これは豪華じゃのお」
食卓には、焼きたてのパン。野菜のスープ。スクランブルエッグが並べられていた。
「日本の食材は無かったが、似てる食材はあってな。それを使ってスープを作ったんじゃ」
「鈴さんはとっても調理が上手なんです〜!」
「へへっ、ありがとな」
婆さんはルナに褒められて照れているようだった。
俺はその光景を微笑ましいと思いながら、パンを頬張る。
「!?。こりゃうまい!」
俺はパンの美味しさに驚いた。
日本ではご飯ばかり食べていたが、このパンならいくらでも食べられる。
「鈴さんには及びませんが、私も料理が得意なので!」
3人で朝ご飯をおおいに楽しんだ。