7・お昼寝と匂い
超短いですわ。
昼休み、海斗はまた屋上に来ていた。といっても昨日の様に両親を失った悲しみを紛らせる為ではなく、教室で怜奈に話しかけようとしたが、他のクラスメートが居た為、やむを得ず一人で屋上に来たのであった。
「自分で言うのも何だけど、僕って結構内気だよな…」
そう自虐的に呟くのであった。その時…
「!?」
海斗の視界が真っ暗になった。海斗はデジャヴを感じた。
「だ~れだ?」
「…怜奈?」
「あったり~」
怜奈の言葉と共に、視界が明るくなる。振り返ると怜奈が居た。
※ ※
「何時の間にか教室に居なかったから、もしかして此処かなって思ってさ」
屋上への階段の建物に座って寄り掛かりながら、怜奈が言った。その隣には海斗も座っている。
「怜奈は転校生で人気者でしょ? 声かける隙がなかったから、一人で此処に来たんだ」
海斗がそう答えた。
「それでも構わず、何か一つ言ってくれれば良いじゃないか!」
少しだけ怒った様に言う怜奈。
「あんなに大勢生徒が居たのに、言えないよ」
「海斗君って結構内向的な性格?」
「…うん」
海斗は控えめに答えた。
「ふ~ん…ボクは結構社交的な性格だから、よく分からないな~」
そう言った時だった。突然海斗が寄り掛かってきた。
「海斗君?」
海斗の顔を覗き込む怜奈。すると…
「スゥ…スゥ…」
海斗は眠っていた。
「寝ちゃってる…可愛いな海斗君」
怜奈はそんな海斗に可愛さを感じた。
「……」
何を思ったのか怜奈は、海斗の匂いを嗅ぎ始めた。
「クンクン…いい匂い…シャンプーの匂いかな?」
海斗の頭からはいい匂いが感じ取れた。その後肌の匂いや服の匂いまで嗅ぎ始めた怜奈。
「いい匂い…海斗君…」
怜奈は夢中になって、海斗の匂いを嗅ぎ続けた。
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