4・弓道場
今回弓道場のシーンがありますが、かなり下手に描写していると思いますので、ご了承下さいな。
怜奈に案内されて着いたのは、大きな木戸であった。怜奈はその木戸を開けると海斗を招き入れた其処は…
「わぁ…」
其処は弓道場であった。何人かの弓道衣姿の人が、弓を構えて的に狙いをつけて放ったりしていた。
「ボクの家は、代々続く弓道場でね。お父さんは此処の師範なんだ」
そう怜奈は説明すると、一人の男性の元へと行った。その人物は弓を引いておらず、ただじっと矢を撃ち続ける人達を見つめていた。
「お父…じゃなくて師範! ただいま帰りました」
「うむ。良く帰った…その子は何だ?」
怜奈の父親である師範は、海斗の存在に気付いた。
「今日友達になった海斗君です。弓道場を見学させようと連れてきました」
「そうか…」
怜奈の父親はそう答えると、海斗の前までやって来た。
「えっと…怜奈さんと友達になった、深海 海斗です!」
海斗はレ着正しくそう挨拶をした。
「……」
怜奈の父親は、無言で海斗を見下ろした。
「……」
海斗はその緊張感に、心臓が高鳴りをしている事を感じた。
「…怜奈が此処に連れてきたという事は、門下生として招き入れたいという事だな?」
「へっ…?」
突然の事に海斗は驚いた。其処に怜奈がやって来た。
「ごめんね海斗君。騙したわけじゃないんだけど、此処に来たら話そうと思ってたんだ」
怜奈が謝りながら説明する。
「ボクが見た所、海斗君には弓道の素質があると思うんだ。ボクもやっているから…一緒にやらないかな?」
「……」
怜奈に言われて、海斗は戸惑った。
『僕に弓道の素質がある? そんな…今までそんな世界には、関わった事がないのに…』
海斗が戸惑っていると、怜奈は海斗の手を取り、優しく語り掛けた。
「大丈夫だよ海斗君。最初は誰だって不安なんだから…ボクだってまだ始めたばっかりなんだから…海斗君、一緒にやろう?」
怜奈に言われて、海斗は不安がありながらも…
「うん…」
「やった!」
海斗が承諾すると、怜奈は大声を上げる。それに対して他の門下生の人が驚き、ある人によっては矢を的に当てるのを外してしまった。
「怜奈。静かにしなさい」
怜奈の父親が威厳のある声で戒めた。
「それじゃあ早速ボクと練習だね…師範、ゴム弓と男の子用の弓道衣はありますか?」
「用具置き場に置いてある。取ってきて着替えさせなさい」
「はい! じゃあ海斗君。こっちに来て!」
怜奈に連れられて、海斗は用具置き場へと向かった。
※ ※
それから数十分後、弓道場の隅に弓道衣に身を包んだ海斗が居た。弓道衣を着るのに手間取ったが、親切な門下生の人が教えてくれた為、海斗は着る事が出来た。
「おまたせ、海斗君」
其処に弓道衣姿の怜奈が居た。私服姿の怜奈も可愛かったが、弓道衣姿の怜奈も可愛いと海斗は思った。
「どうしたの? 海斗君」
「い、いや何でもないよ…それよりこれからどうするの?」
「今日はこのゴム弓を使って練習するんだ」
そう言って海斗に差し出したのは、ゴム弓と呼ばれる弓道の練習道具であった。
「これを右手の親指に引っ掛けて、親指を軽く曲げて、中指と薬指の間におく、中指は軽く曲げて、人差し指は中指にそえるようにする」
怜奈は説明をしながらゴム弓を構えた。
「……」
海斗も同じ様に構えようとするが、中々上手くいかない。
「最初はそんなものだから、焦らず頑張っていこう」
怜奈に言われて、海斗は少しずつやっていく事にした。結局その日は、ゴム弓を構えるだけで時間を費やしてしまい、ゴム弓を放つ段階までは行く事は出来なかった。
やっぱり下手だったでしょう…。
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