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僕の愛する人  作者: 黒猫キッド
2/12

2・下校と海斗の両親

 『転生したドララーのオタクは』もよろしく~

 下校のチャイムが鳴り響く中、大勢の生徒達が帰る準備をしている中、海斗も帰る準備をしている。その時…

「海斗君!」

 其処に声を掛けてきたのは、ランドセルを背負った怜奈であった。

「怜奈…どうしたの?」

「ボクと一緒に帰らない?」

「…僕とで良いなら」

 海斗はランドセルを背負いながら答えた。

「じゃあ行こう!」

 怜奈は海斗の手を引きながら歩き出した。

「!!!!」

 突然手を繋がれた事に、海斗は戸惑ったが、怜奈は気にせず手を繋いだまま教室を出た。


※        ※


 学校を出た二人は横に並びながら、通学路を歩いた。

「ねえ海斗君」

「何…?」

「海斗君のお父さんとお母さんは、どんな仕事をしているの?」

 何気なく怜奈が尋ねた。すると海斗は歩みを止めた。

「…海斗君?」

 振り返ると、海斗は俯いていた。

「…何か…悪い事言った?」

 怜奈が尋ねると、海斗は俯いたまま答えた。

「僕のお父さんとお母さん…死んじゃったんだ…」

「えっ…」

 海斗の口から出た言葉は、怜奈には信じられないモノであった。

「一ヵ月前に事故で…僕は別の用事があったから、助かったんだけど…」

 そう言うと海斗は、涙を流し始めた。

「お父さんとお母さんは…その事故で…えぐぅ…んぐぅ…」

「海斗君…」

 ポロポロと涙を流し始める海斗。そんな海斗に対して怜奈は…。


 ギュ…


「!?」

 怜奈は優しく海斗を抱きしめてあげた。

「辛かったね海斗君…大丈夫…ボクで力になれるなら、何でもなるよ…」

「怜奈……うわぁぁぁ……」

 海斗は怜奈に優しい言葉を掛けられて、人目を憚らず道で号泣した…。


※        ※


 暫くして海斗は泣き止み、怜奈から離れた。

「ありがとう、落ち着いたよ」

 何かが吹っ切れた様な笑顔を、海斗は怜奈に向けた。

「!!!」

 その笑顔を見た瞬間、怜奈はドキリとした。

「? どうしたの怜奈?」

「な、何でもないさ」

 不思議に思った海斗が尋ねるが、怜奈は誤魔化した。

「そ、そういえば、海斗君の家は何処なの?」

 怜奈は逸らす為に、話題を考え尋ねた。

「えっと…すぐ其処だけど」

 そう言って海斗が指を指したのは、一軒の普通の家であった。

「えっ? あそこなの?」

「うんそうだよ」

 そう言うと海斗は怜奈を連れて、その家の前まで連れて行った。確かに表札には『深海』と彫られていた。

「ホラ、僕の家でしょ…それで怜奈は何処に住んでいるの?」

「えっと…あそこ…」

 そう言って指さしたのは、海斗の家の斜め向かいにある、つい最近新しく出来た道場であった。

「ボクね…あそこの道場の家の子なんだ」

 若干照れた様子を見せる怜奈であった。


 何の道場なのか…それは次回に。

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