1・邂逅
これから書きたい作品のプロトタイプですわ。
とある何処かの小学校の屋上に、一人の男の子が居た。男の子は柵に寄り掛かりながら、景色を見ていたが、目は何処となく悲しみに満ちており、景色など見えていない様に見えた。
キ゚ィイイイ…
と其処に、謎の訪問者が現れた。その訪問者はゆっくりとした足取りで、男の子に近づいていく、そして…
バッ!
「!?」
訪問者は男の子視界を、背後から塞いだ。
「だ~れだ?」
訪問者は目を塞いだまま、男の子に問いかけた。
「えっと…転校生の人?」
「当ったり~♪」
そう言いながら男の子の視界を開かせると、男の子は振り返った…其処には訪問者‐女の子‐が居た。とても可愛らしい
「えっと…名前は…」
男の子が女の子の名前を思いだそうとしていると…。
「速水 怜奈だよ!」
と、笑顔で言った。
「僕は…深海 海斗…」
「海斗君か…よろしくね海斗君」
「う、うんよろしく…」
女の子‐怜奈‐に手を差し出されて、男の子‐海斗‐は握手を応じた。
その後怜奈は、海斗の隣に立った。
「何を見てたの? 校庭?」
「…何も…」
「何も? ボクには校庭を見ている様に見えたけどね」
「…自分の事を『ボク』って言うんだ」
海斗は怜奈の事を横目で見ながら言った。
「うんそうだよ。ボクはそういう言い方が好きだから…海斗君は、自分の事を何て言うの?」
「…僕」
「何だぁ同じじゃないか」
怜奈は無邪気な笑顔で答えた。
「…どうして…」
「?」
「どうして…僕に声を掛けたの?」
海斗は不思議に思って尋ねた。人気の無い屋上に、ただボッーとしている自分に何故声を掛けたのか、海斗は気になったのだ。
「…海斗君、授業と授業の間の休み時間になると、何時も寂しそうにしているし、今だってこうして屋上に一人で居るし…気になっちゃって…悪かったかな?」
「…ううん…気にしてくれてありがとう。速水さん」
「怜奈で良いよ! ボクも君の事を海斗君って呼んでいるし」
「…怜奈さん」
「怜奈!」
「…怜奈」
「それで良し!」
ニシシと笑う怜奈に、海斗は戸惑いを感じたのであった。これが深海 海斗と速水 怜奈の出会いであった。
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