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はじめてのクエスト②

本日2話目です

 気を取り直して、ステータスを割り振ろう。


 まず、ステータスポイント。


 筋力値 10(+2)

 守護値 45(+45)

 聡慧値 13

 投擲値 0

 技巧値 0

 敏速値 0(-5)

 幸運値 0

 信用値 ★☆☆


 このカッコ内の数字が装備の効果で、それらが反映されたものが左の数値だそうだ。


 ステータスの中でも、魔法職や後衛職にとって重要なのは、魔法威力に関わる聡慧値だ。基本はこれを伸ばしていくことになる。


 それから、筋力値や守護値や敏速値なども、戦闘には大きく関わってくる。これらを疎かにはできない。


 初期に貰えるステータスポイントは15。ステータスポイントはレベルが上がったりクエストをクリアすることで貰えるポイントなので、そのうちまた手に入る。ひとまず聡慧値に全部割り振ってみようと思う。


 次にスキルポイント。これを消費して、スキルを入手することができる。また、ゲーム内での行動によってスキルが入手できることもあるので、節約できるならした方がいい要素ではある。


 初期に貰えるスキルポイントは、ステータスポイントと同じく15。これもレベルの上昇やクエストのクリアで貰えるポイントだが、スキルは種類もポイントも様々なので、なるべく慎重に割り振りたい。


 事前に調べたところ、鑑定は必須といってもいいスキルらしい。スキルポイントを3消費して取得する。


 職業にサモナーを選択したことで選択可能となった、召喚魔法、契約魔法、強化魔法、などの必要なスキルを取得していく。ポイントを5消費したので、残るポイントはあと7。


 あとは魔法を取得しなければ、攻撃手段が杖で敵を殴るだけになってしまうので、そこに残りのポイントを割り振っていく。


 属性魔法から水、氷、光、木、それぞれポイントを1消費して取得。


 特殊魔法の回復魔法。これはポイントを2消費して取得。


 残る1ポイントは、特に思いつかなかったのでとっておこうと思う。


 シンラさんの為にも、はやく戦闘に戻らなければ。


「終わりました!」


「おう。せっかくの割り振りなのに急かして悪かった! 早速だが手を貸してくれ、ちょっと俺一人じゃ捌ききれなくなってきた!」


「了解です! 僕が割り振りを忘れていただけなのでお構いなく!」


 ……そろそろナビ妖精出てきても良いと思うんだけどなぁ。出てこないなぁ。


「まさか寝てるとかある? ルフィーナさーん、戦闘についてそろそろ教えて欲しいんですが」


『……はっ! ……お、遅れて申し訳ありません。戦闘ですね、承知しました。まずはルフィーナがお手本を見せましょう。少しお身体を拝借しますよ』


 その瞬間から、コントロールが効かなくなったかのように動かせなくなった。ルフィーナがユキというアバターの中に乗り移ったということだろう。


『まずは通常攻撃。杖を構え、敵モンスターに向かって魔法攻撃を放ちます。この通常攻撃は杖の性能や属性によって威力や効果が変わるので、より効果の高い杖を使うことをお勧めします。


 このように、攻撃対象を視界で定め、杖を振ることで対象へと攻撃ができます。


 次にスキルを利用した攻撃です。言葉によって発動するので、攻撃対象を定めたらスキル名を読み上げましょう。


 〈アイシクル レイン〉


 と、このようにスキル名通りに読み上げることも可能ですし、スキル名変更で発動に使うキーワードを自由に変更することも可能です。また、脳内のみで唱えることでも発動可能です』


 まって、僕に乗り移ったルフィーナさん、めちゃくちゃ強いんだけど……。


 空に大きな魔法陣が浮かび上がり、そこから槍の形をした氷が雨の如く降り注ぎ、モンスターを串刺しにしていく。氷の槍が刺さったモンスターは次々と瀕死になり、あっという間に地獄絵図が完成した。


 ちなみにこのモンスターは牛のような見た目をしていて、正式名称をタウロスという。とても凶暴で、誰彼構わず襲いかかってくるらしい。いわゆるアクティブモンスターというやつだ。


 クエストではこのウシを五体討伐することになっているのだが、この死体の山、そんな数は優に超えている。


『……また何かあれば名前を呼んでいただければ現れますが、今は眠たいのでちょっとおやすみさせてください……。この失態はいつか必ず挽回させていただきますので……』


「あっ、う、うん。うん? おやすみ……」


 シューッと消えていくルフィーナ。妖精ってみんなあんな感じなのかな。名誉挽回するとか言ってたけど……。


 あ、シンラさんの顔が驚きすぎて固まってる……。やっぱりこの事態はおかしいんだね……。


「あ、えー、と。ユキってすげぇ強かった、んだな」


 いや、今のは完全にルフィーナがやったことで、僕がこんなに強いという訳では、ない……。


「えっと、今のはルフィーナのチュートリアルで……」


「ん? あぁ、ナビ妖精のことか。とすると、今のはナビ妖精の戦闘チュートリアルってわけか」


「そう、ですかね、多分。体の制御が奪われて、ナビ妖精の説明を聞いてましたけど。……シンラさん? 聞いてます?」


 やっぱりルフィーナのそれは異常なことではなく、普通のチュートリアルだったわけだ。それにしてはシンラさんめちゃくちゃ驚いている気がするけど……。


「え? あぁ、いや。俺が知ってる威力じゃねぇなぁと思ってよ。広範囲に攻撃できるのは後衛職の利点だが、こんな一撃でウシ倒せるほど強かったっけなぁ、と思って。確かにナビ妖精が発動したスキルは威力が上がるんだが、これはそれ以上な気がする」


「うーん……。あっ、もしかしたら装備の効果かも」


 というかそれ以外にないな。炎以外の魔法威力2倍と、水,氷,光の魔法威力3倍の効果が相まって、2×3で6倍とか、そういうとんでもない性能なのかもしれない。


 水,氷,光の時に2倍の方は適用されないと思ってたんだけど、まぁ6倍の性能ならこの威力もありえなくはない、かも……。


「もしかして、とんでもなくチートなのでは」


「もしかしなくてもそうだろ……。何者だよ、その装備の作成者は」


「服飾屋のエマさんっていう、普通のお姉さんって感じの人だったんですけどね。次に会ったら相談しておかなきゃ」


「まぁ、装備の性能とはいえ強いに越したことはねぇだろ。とりあえず今は、コイツらから素材を剥ぎ取らなきゃな」


「あっ、手伝います。……もしかして解体スキルが必要だったりします?」


 頷くシンラさんを見て、スキルポイントを残すことは間違ってなかったと痛感した。

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