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素敵なステッキ

本日3話目です

「装備だけでも結構な量になっちゃったわね〜。大丈夫? 冒険にこれ全部持っていくのは酷よね……。そうだわ、アレがあるじゃないの!」


 あの後、性能的に最初の水系統装備が一番良かったので、それを着ることにした。他の装備の性能も場面によって使い分けたらいいと、試着したものは全て貰い受けることになってしまった。


 インベントリ容量には比較的余裕があるが、冒険を始めたらそうもいかなくなるだろう。インベントリ容量の拡張アイテムや、ハウジング機能の解放も、いつされるのか分からない。なんとか解決しておきたいものだ。


「これよ、これ。友達のマリーから貰った衣服収納の杖。まだ販売できるほどの目処も立っていないらしくて、性能テストしてくれって頼まれてたのよねぇ。良かったら使ってみる?」


そう言ってエマさんは、小ぶりな杖──いわゆるステッキを見せてくる。


「一般に出回ってはいないもの、ってことですよね? そんなもの貰ってもいいんですか?」


「まぁ、試してくれって言ったのはマリーだし? 同じものがあと2つあるし、大丈夫だと思うわ。是非、冒険に役立ててちょうだい」


「マリーさんが誰かは分かりませんが、何から何まですみません……。助かります」


 衣服収納の杖の使い方を教わり、心からお礼を述べ、当初の目的の冒険者ギルドへ向かうことにする。


 この杖一本に、着ていない服を全て仕舞うことが出来るらしい。着替える時もこの杖を一振りして、着たい服を選べば着替えが完了するのだとか。インベントリ容量の圧迫を解消できるので、これはプレイヤーに絶対売れる商品になるはず、と伝えた。プレイヤーとは明言していないが、ボロ服を着てた人達、と表現したら伝わったようだ。どうやら現地人の間では、我々とは違う大陸から来た人間、という扱いになっているらしい。


 これからNPCに説明する時があるなら、そういった表現を使えば伝わりそうだ。


「ちゃんと稼いできなさいよ〜。装備で困ったらウチに来なさいねぇ」


「はい! ありがとうございます」


 ……めちゃくちゃ良い人だったなぁ。装備が女の子用なこと以外は文句の付けようがないくらい、めちゃくちゃ良い人だった。それに沢山おまけしてくれたし、それなら女の子の装備でもそんなに問題ない気がしてきた……。いや、羞恥心という点ではまだまだ問題もあるけど……。


 ともかく、はやくこの装備の性能を試したいので、急いで冒険者ギルドに向かうことにする。


 ―クエスト『オシャレ装備のお試しセット』が完了しました―

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