PK・白ネコ
エタってました。すみません
「やっぱり人通りのある道は避けた方が良かったですかねぇ」
数人のプレイヤーに絡まれ路地裏に連れていかれながら、思わずため息が出てしまうリンベル。
リンベルという名前こそ知られていないものの、その外見や噂は、PKとしてこのゲーム内で広く知られている。
腕試しのような感覚でPvPを申し込まれることもあれば、相手が復讐目的で突然殺しにかかってくることも、少なくない。
「むしろ、どうしてユキさんは僕の正体を知らないのかが不思議なくらいですが。危険人物についての掲示板とか見てなきゃ、案外わかんないもんなんでしょうか」
何をごちゃごちゃ言ってやがるだとか、余裕ぶっこいてんのも今のうちだぞだとか、そういった言葉を掛けられたので、リンベルは先手必勝とばかりに相手に光の範囲魔法を放つ。
「余裕をぶっこいているのは貴方達でしょう。僕は対人戦のプロですが?」
相手を煽る、殴る、蹴る、杖を叩きつける、投げ飛ばす、魔法を放つ、そして状況を判断する力。レベルこそ相手の方が少し上だが、全ての動作においてリンベルが圧倒していた。
「どうしました? 大した実力もなく挑みに来たんですね。それはそれは、ご苦労さまでした。ちなみにお疲れさまとご苦労さまの違い、知ってます?ご苦労さまって、目上から目下へとかける言葉らしいですよ?」
インベントリから瓶を取り出し、地面に倒れ伏して動かないプレイヤーたちに、その瓶の中身を垂らしていく。
「この瓶は麻痺毒、この瓶は石化薬、この瓶は粘液ですね。ちょうど人数分ありますから、それぞれ貴方たちにプレゼントしてあげますよ」
粘液は例の装備を溶かすスライムからのドロップ品、麻痺毒は蜂からのドロップ品、石化薬はコカトリスを討伐するクエストの報酬で貰ったものだ。
粘液で装備を溶かし、相手を石化状態や麻痺状態にしていく。
「あー、そろそろ誰かに見つかってもまずいですし、僕はここら辺で失礼しますね。
おそらく効果は10分程度で切れると思いますが、PvP勝利の戦利品として、貴方たちの装備の予備はボロ服を含めて全て貰っておきました。これ以上のことをされたくなければ、二度と僕の前に姿を現さないでくださいね。分かりました?」
もはや相手は喋ることもできないが、さぞ恐怖に震えていることだろう。
多少のレベル差ならものともせず、一方的に戦闘を繰り広げることができる恐ろしい人物。そんな噂がプレイヤーの間で広まっていくのだった。
尚、住民NPCの通報を受け、騎士団に裸の状態で発見されたこのプレイヤー達は、しばらく檻に入れられることとなってしまった。
書き直そうか悩み中です。いろいろ新しいアイデアとかも浮かんでて、まず今ある話を書き上げなきゃなのにちっとも進みません……。




