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キャラメイク・マキアート

本日1話目です

 先程発売されたばかりのVRゲームの『Angel Demon Online《ADO》』が早速届いたので、ゲーム機を起動して、説明書通りにセッティングしていく。


 読み込みが完了したのを確認してから、ゲームを開始。まずはゲームの基本、キャラメイクから。


 ―身体スキャンを開始します―


 ―解析完了、データを開示します―


 年齢や性別を偽ることは出来ないので、スキャンの結果である16歳、男性のままだ。最近では医療現場にも使われるほどの技術なので、このスキャン結果が狂うことは滅多にないそうだ。


 自分の顔そっくりってのもアレなので、顔に補正をかけたり、髪の色や長さ、ヘアスタイル、瞳の色を変えるなど、細かい調整をかける。


 肌の色は白め、髪色は白っぽい水色っぽいようなそんな色、目の色は鮮やかな赤。唐紅色というらしい。


 そして名前。このゲームは今日開始された人気のあるゲームだけど、ゲーム内で同じ名前は利用できないので、たぶん簡単な名前じゃ弾かれてしまう。


 まぁ入力するまでその名前がダメかどうかは分からないので、思いついた名前を手当たり次第入れていく。


 本名のユウキは被っていてダメだったので、一文字とってユキにしてみる。どうやらまだ被りはいないらしく、無事に許可された。


 肝心の身長や体格だけど、これも弄ることは出来ない。目線の高さや身体の動かし方などへの影響だとか、なんだとか。


 そんなこんなで、163cmという小柄で冴えない16歳男性の出来上がりだ。身長があと10cmは欲しいが、ないものをねだってもしょうがない。


 ―職業を選択して下さい―


 戦闘系、生産系と分かれており、それぞれ選べる職業が幾つかあるようだ。


 まずは戦闘系を覗いてみる。


 剣士、拳闘士、槍使い、盾使い、斧使い、槌使いの前衛職

 弓使い、銃使い、テイマーの中衛職

 魔法使い、回復術士、サモナーの後衛職


 というふうに分かれている。


 片手剣+盾や、両手剣、片手槍+盾、大盾、斧、大槌など、自分好みのスタイルを選べるのが前衛職の特徴だ。武器の種類も豊富で、王道的な職業とも言える。


 弓や銃は矢や弾の懸念もあるが、初心者でもやっていけないほどのものではない。矢や弾を魔物の素材から作成することが可能だ。

 テイマーは敵モンスターを手懐け、共に闘うことが出来る職業で、敵モンスターからの友好度上昇や注目度低下などの効果がある。中距離までの武器を装備することが可能だが、職業としての恩恵は殆どない。また、敵モンスターを手懐けるまでは手持ちの武器のみで敵モンスターと闘わなければならない為、注意が必要。


 魔法使いや回復術士は、杖などを媒体として魔法を行使することが出来る。攻撃面では魔法使い、回復や支援の点では回復術士が重宝される。範囲攻撃や高火力攻撃、回復や支援、蘇生など、パーティーにおいて重要な役割を担う。

 サモナーは、召喚した精霊や魔獣などと契約することで、闘わせることができる。召喚者自身は杖を用いた魔法による戦闘が可能。また、召喚を行うまでは手持ちの武器のみで敵モンスターと闘わなければならない為、テイマー同様に注意が必要。


「サモナー一択、かな……。ううん、でも……魔法使いや回復術士も捨て難い……」


 まだ生産系の職業を見ていないので、そちらも覗くことにする。


 鍛冶師 …武器や防具などの作製が可能。筋力値、技巧値に上昇補正。戦闘も可能。

 薬師  …ポーションなどの作製が可能。聡慧値、投擲値に上昇補正。戦闘も可能。

 錬金術師…物体やホムンクルスなどの錬成が可能。聡慧値に上昇補正。戦闘も可能。

 魔術師 …魔道具、魔法陣、魔導書などの作製が可能。聡慧値、技巧値に上昇補正。戦闘も可能。

 採取師 …素材の採取をすることができる。敏速値、幸運値に上昇補正。インベントリ容量に上昇補正。

 商人  …商売を行うことができる。信頼値に上昇補正。インベントリ容量に上昇補正。


「錬金術師めちゃくちゃ気になるなぁ。あー……」


 こういう時は、二択にしてから運に任せよう。そうしよう。


 錬金術師が気になってしょうがないのと、戦闘系の中からだったらサモナーが一番良さそうなので、どちらか……。


「……サモナー、っと」


 ある程度冒険を進めたら二人目のキャラクターを作成できるようなので、錬金術師はその時までお預けだ。


 ―職業を選択しました―


 ―以上でキャラクタークリエイトは完了です。次に進みますか?―


 はい、と選択。次は装備品などの確認だった気がする。


 頭 無し

 胸 ボロい服 品質F

 脚 ボロいズボン 品質F

 靴 茶色い靴 品質E


 守護値+5

 とにかくボロい


 武器 木の杖 品質D


 筋力値+2

 魔法の適性追加


 所持金 500G


 ……まぁ、初期装備に豪華さを求めても仕方がない。なんとか稼いで、少しはマシな装備を整えたいものだ。


 ―冒険へと旅立ちますか?―


 "はい"と"ちょっと待って!"が選択肢として表示される。ここでちょっと待って!と選択すればキャラクタークリエイトからやり直せるのだろう。何度も確認したし、もう大丈夫だ。はいの方を選択する。


 ―世界へのアクセスを申請中―


 ―申請許可が降りました。アクセスを開始します。そのまましばらくお待ちください―


 それまで明るかった周囲が真っ暗闇に包まれ、次第に明るくなっていく。


 ついに、冒険が始まる。

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