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ネトゲ女  作者: kaji
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第六十六話「さよなら。ロマンチストジャーニー?」


「何を思い出したんですか? 先輩」


俺が起きるとベッドから起き上がるとなぜか愛華が俺のアパートの部屋のパソコンの前に座っていた。一瞬里見と見間違えたが里見はこんなに小さくは無かった。しかし、なんでこいつがこんな所にいるんだ。


「おい。お前。何やってやがる」


俺は多少怒りを込めて言ってやった。俺の部屋はそんなにお気軽に入っていいような部屋じゃないんだよ。


「何ってパソコンやっているんですけどわかりませんか?」

「パソコンやっているは見ればわかる。俺が言いたいのはなんで俺の部屋にいるんだってことだよ!」

「……ちなみに私もいるぞ……ばりばり」


振り向くとちゃぶ台の所に良子ちゃんがいた。なぜかせんべいを食べている。ばりばりとものすごい速さで食べている。


「先輩! リーグ戦はここからインしまっすからね」

「……私もそうしますので……あしからず」

「お前ら。なんでいる? いや。むしろどうやって入った?」


 俺はこいつらになんでいるなどという事を聞いても一生要領を得ないだろうということを悟り、聞き方を変えてみた。


「……これで空けました」

「……」


せんべいを齧りながら良子ちゃんはポケットから針金を取り出す。ピッキングかよ。なんでそんなことができるの? 良子ちゃんよ。


「……ちなみにこれも……通信教育です」

「俺の考えてることを読むな!」

「良子ちゃん。2秒で先輩の部屋を開けたんですよ。プロもびっくりの腕前ですよね?」

「俺に同意を求めるな。俺はその腕前に冷や汗だよ」


俺はそのうちこのドアをカード式にしないといけないなと思ったがそんなことをしても結局違う手で入れこまれそうだと思って断念した。金銭的にも無理だし。


「ちなみに僕もいます。お忘れなく。うげ!」


何でか西園寺もトイレから出てきた。俺はお前ずっとそこに隠れてたのかよとかなんでここにいるんだよとかもう色々な思いがこみ上げて思わず西園寺を殴ってしまった。


「はあ。はあ。お前……どこから沸いてでた」

「痛いですね。それに失礼ですよ。沸いて出たなんて。空けてもらいましたよ。彼女らに」


そう言って西園寺は愛華達を指さした。愛華と良子ちゃんはきょとんとしている。


「お友達じゃないんですか? 僕は生まれてからの親友ですって言われたのでお部屋にあげたんですけど」

「いや。全然知らない奴だ。見たことも聞いたことも無い。今すぐに追いだそう」

「ひどいですよ。岡崎君」

「お帰りください。そして、もう二度と俺の前には現れないでください」


俺は無理やり西園寺を引っ張って外に放り投げてやった。そして、西園寺臭が俺の部屋に充満していたので部屋全体を消臭した。


「覚えていろよ! 岡崎! 僕のチームでぼこぼこにしてやるからな!」

「うるせえ! ドアを叩くな! このやろう!」

「痛! ま……待ってくれ。それは地味に痛いぞ」


俺は窓を開けてちゃぶ台の上にあった豆を西園寺にぶつけてやった。今日は節分では無いが別に構わないだろう。西園寺はたまらずどこかに逃げて行った。


「チームって?」

「あいつは可哀想なやつなんだよ。気にするな。それよりももう遅いから帰れ」

「嫌ですよ。これからここからインしますんでよろしくっす」

「おい。おい。勘弁してくれよ」

「……私もここからイン……します。せんべいも豊富にありますし……ばりばり」


まったくとんでも無いことを言うなさる娘さん達だ。ここからインするって? せっかく里見がいなくなって清々していた所なので今度は愛華と良子ちゃんかよ。


「勝手にしろ! 俺は寝る!」

「おやすみなさ~い」

「……おやすみ……ばりばり」


俺はもう全てが面倒臭くなって寝ることにした。そのうち飽きて帰るだろう。

 2時間後、俺は起きてファンタジークエストにインした。今日はファイナルトーナメントのメンバーを発表することにしていたからだ。事前には全く告知していなかったがまあいいだろう。どうせみんな暇だろうからインしているだろうから。ちなみに愛華と良子ちゃんはまだ部屋にいた。

 俺はジャポンの議事堂前にメンバーを集めてメンバーを発表した。


第1パーティーはケミカルパンク(剣士)、タリア(支援魔法使い)、リラックライマックス(牧師)、ケミカルアイカ(弓師)、近未来ハウスキーパー(攻撃系魔法使い)、みたらしだんご(ロボット改C11)、宮藤使い(Mob使い)だ。

第2パーティーはニートは人間国宝(支援魔法使い)、惨劇のクマさん(支援魔法使い)、ホップステップごま(ナイト)、来期は2軍(牧師)、ささくればくはつ(弓師)、フリーライター猿(剣士)、ねこねここねこ(弓師)だ。

これは今までのサバイバルの選考の結果などを考慮して各マスターと話し合いをして決めた結果だ。決して俺独断で決めたわけではない。


ロマンチストジャーニー マ……マスタああああああああああああああああああ。なんで私が入ってないんですかああああああ。


ケミカルパンク うるせえな。ロマンチスト。お前はこの結果を真摯に受け止めるんだ。


ロマンチストジャーニー そんなあああああああ。とてもじゃないですけど受け止められませんよおおおおおお。


ケミカルパンク お前はここぞと言う時に出す。予選からお前をお披露目するわけにはいかないからな。


ロマンチストジャーニー さすが。マスタあああああああああああ。わかってますねええええ。


ケミカルパンク そうだ。だから、お前は来るべき時まで腕を磨くんだ。いいな。


ロマンチストジャーニー わかりましたああああああああああ。じゃあ今から狩りに行ってきますねええええええ。


ケミカルパンク ああ。ゆっくり。行って来い。ゆっくりでいいからな。


ロマンチストジャーニーはどこかに消えて行ってしまった。まさかこんないい加減な手が通用するとは思わなかった。


ねこねここねこ まったく……。ふう。


ケミカルアイカ 馬鹿っすね。


タリア だな。


ケミカルパンク と。とにかくこのメンバーで予選リーグを勝ち上がるぞ!


全員 おお!


ついに予選リーグが始まる。俺はタリアのためにももちろん自分自身のためにも青空の暴走は止めなくてはならない。恐らく今の選抜メンバーでも正直厳しいと思う。でも必ず勝たなくてはならない。俺はこのチームを解散させたくない。これからもずっとこのメンバーでやっていきたい。そのためには負けるわけにはいかないのだ。俺は飲むキャラメルを飲みながら決意を固めた。


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