表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ネトゲ女  作者: kaji
64/70

第六十四話「弟」

ケミカルパンク あなたは? いや。お前はあの俺の知っているクールフラワーなのか?


クールフラワー ……。



俺は思わずそんなことを聞いたがクールフラワーは無言だった。



クールフラワー 僕は弟です。あなたの言い方を借りるとすると厳密な意味ではあなたの知っているクールフラワーでは無いということになりますね。


ケミカルパンク 俺の知っているクールフラワーじゃない? どういうことなんだよ。



俺が思っていたよりも思わぬ方向に話が転がりだしたので俺は慌ててしまった。おかげで俺はパソコンの前に置いていた飲むキャラメルをこぼしてしまった。しまった。もったいねえ。しかもキーボード超べたべだ。



クールフラワー あまりリアルの話はしたくは無いのですが僕はあなたの知っているクールフラワーの弟なんです。


ねこねここねこ 弟!?


タリア 弟……?


ケミカルパンク !?



会ったときに直感的にこれはクールフラワー本人に違いないと思ったのだがどうやら違うようだ。



クールフラワー 姉さんは死にました。半年前に。元々体が弱かったので病気だったんですよ。


ケミカルパンク 死んだ……。嘘だろ。



今ここにいるのが俺の知っているクールフラワーじゃないということだけでも驚きなのに俺の知っていたクールフラワーが死んでしまったとクールフラワー弟は言っている。俺はもう何が何だか分からなくなっていた。



タリア その弟がなぜクールフラワーのIDを借りてプレイしているんだ。


クールフラワー 前に姉さんからこのゲームのことは聞いていました。最近急に姉さんの見ていた世界が気になってインしてみました。


タリア そう? なるほどね……。


ねこねここねこ ……。



一番ショックを受けそうなタリアは意外に冷静だった。一番思い入れが深いのがタリアだろうに。このトーナメントを始めた根源的な想いもクールフラワーのためだと言っても過言ではないのに。



クールフラワー 前にも姉さんのIDを借りて少しやったことがあったのでそれで僕は姉さんのIDを借りて今ここにいます。



半年前か。半年前だとするとクールフラワーがいなくなった時期と重なる。あいつ体が弱いなんてこと聞いたことがないけども。そうなのか。あいつは前から肝心なことは俺には話してくれなかった。



クールフラワー それでは対戦楽しみにしていますよ。



話はこれで終わりだという感じでクールフラワーはログアウトした。まさかクールフラワーが死んでいたとは。俺は結構ショックだったがそれよりもタリアどうなのだろうか。冷静には見えたが俺にはよく分からなかった。


抽選会が終わったのでせっかくなのでタリアとねこねここねこと話し合いをすることにした。場所は最近のアップデートでできた喫茶店だ。もちろんお金はかかるがなかなか雰囲気がいいので最近は結構頻繁に使わせてもらっている。



ケミカルパンク どう思う?


ねこねここねこ どうって? クールフラワーが本当に死んだのかということ? それともあれが弟なのかっていうこと?


ケミカルパンク あー。そっちもあったか……。どっちもだよ。


ねこねここねこ どっちもって分かる訳ないじゃない。私たちが彼の言うことを信じるのか信じないかということだけでしょ。


ただ時期的にはクールフラワーが居なくなった時と重なる


ケミカルパンク だよな……。



 真相を確かめる術はない。タリアはいつもよりも言葉少なめだった。俺たちはその後すぐに解散した。俺はなんだか非常に疲れたのでそのままログアウトすることにした。

 ログアウトしてベッドに寝転がりながらクールフラワーのことを考えていたのだが自分が思っていたよりもショックを受けていることに気づいた。タリアにクールフラワーのことを言われるまでは俺は彼女のことは忘れていたのに。なんでだろうか。俺は無意識に彼女のことを忘れようとしていたのだろうか。思い出してみる。俺は確かクールフラワーに対して腹を立てていたような気がした。なんでだろうか。あれは確か……。

ご拝読ありがとうございます。

 そろそろチーム戦に入りたい所なのですが第3部の宿題を回収しないといけませんのでもう少々続きます。個人的にはそろそろチーム戦を書きたいのですが。

 どうぞよろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ