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ネトゲ女  作者: kaji
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第六十二話「西園寺参戦!」


 地下迷宮探索が終わり、メンバーを変えながら何度か練習試合をしてだいたいのデータが出揃ったので予選リーグで使うメンバーを各チームマスターとの相談の上で決定した。これだけは声を大にしていいたいが俺はチートでも何でも無くメンバーに決定したのでここで語ることにする。各チームのエースが集まっているので少しだけ危ういかなと思っていたがまだまだ俺の時代は続いているらしい。まだまだ若いやつらには負けられん。

 俺たちのメンバーが決まるのと同時に下々の予選トーナメントも終了し遂に予選リーグ組み合わせ決定した。俺たちレッドウィングはA~FリーグあるうちのCリーグだった。Cリーグは俺たちレッドウィングに予選から勝ち上がって来たフラワーカンパニー、ECO今岡、BSRの第2チームBlue Science Reaction2(BSR2)に古参で俺たちと同じ予選トーナメント免除のゴールデンえいじがいるリーグだ。

この中で一組だけしか決勝リーグに行けない。古参チームのゴールデンえいじに予選から上がってきたBSRの第2チームもいる。他のチームはよく分からないが厳しい戦いになるのは必然だろう。俺はぼんやりと組み合わせを見ながら作戦を練っていた。この中で一位になるにはどうすればいいだろうか。おそらく今回の戦いはタリアの支援に俺たち火力陣がどれだけ応えられるかにかかっているかも知れない。

 前回はサブで無様にBSRに負けてしまった。今回タリアのこの大会にかける並々ならぬ思いは今までの練習試合などで十分すぎるほど伝わってきている。支援は完璧だ。後は俺たち火力陣がどれだけ頑張れるかにかかっている。そんなことを考えていたらいつの間にかパソコンの前で寝落ちしていた。


「岡崎。君に話がある」


 次の日、俺と内藤くんが最近はまっている音ゲーをやっているところに西園寺がやって来た。今日もうっとおしいニット帽を被っている。生徒会長のくせにあれは校則違反では無いのだろうか。それともあれはカツラだと先生の間では認識されているのだろうか。


「なんだ。今手が離せない」

「君は学校にそんなものを持ってきているのか」

「そんなものとは何だ! 俺の命だ」


俺の命のゲームを侮辱するとはなんていうやつだ。それよりも話しかけないでくれ。うまくリズムにノらないとミスしてしまう。


「いいから僕の話を聞くんだ」

「あ。悪い」

「ぐふぉ」


リズムにノッていたので思わず近づいてきた西園寺のアゴに肘打ちを食らわせてしまった。言っておくがわざとでは無い。


「岡崎ぃー。貴様! よくもやったな」

「不可抗力だ。俺がゲーム中に近づくやつが悪い。なあ。内藤くん」

「残念ですが岡崎くんの言う通りですよ。音ゲーをやっている時に不用意に近づいてはいけません。血を見ることになりますよ」

「分かった。ではここから話す。だからよく聞け」


西園寺は律儀に1m程離れた所で話し始めた。


「聞いて驚け。僕はだな―」

「おおー!! やったぞ! 岡崎くん遂にクリアした!!」

「本当ですか? 見せてください。おお。さすが岡崎くん」

「どうだ。見たか内藤くん。俺にかかればこんなもんだ―」

「岡崎!! ふざけるなよ! ぶふぉ」

「あ。悪い」


思わずまた近づいてきた西園寺に肘打ちを食らわせてしまった。まったくこいつは馬鹿か。


「いったいなんだよ。さっさと言えよ」

「よく聞けよ。岡崎。ごほん。僕もファイナルトーナメントに参加することにした!!」


ものすごい大きな声で発言した。アホかこいつはおかげで何事かとクラスの注目を集めてしまった。


「馬鹿。お前何でこんな公衆の面前でそんな発言するんだよ」

「いや。すまん。ついな」

「西園寺君ってファンタジークエストやっていたんですか?」

「よくぞ聞いてくれた。実はな。僕はIDとチームを買ったのだよ。これぞお金の力だ。どうだ。岡崎」

「へー。さて続きやるかな」

「おい。ちょっと待て。なんだその薄いリアクションは」

「俺には関係ないからな」

「関係無いことは無いだろう。お前たちファイナルトーナメントはCリーグだろ。俺も同じリーグにいるからな。チーム名はECO今岡だ。覚えがあるだろう」

「……。あー。あー! そういえばそうだな」

「チームのメンバーも僕がお金の力を使って集めた精鋭メンバーばかりだ。対戦する日が楽しみだよ。では次はネットで会おう。ハッハハハ」

「……」


 西園寺は言いたいことが言い終わると教室から出て行った。むかついたので俺は西園寺の机をダンボール箱にしてやることにした。こいつはこれで十分だ。気を利かせてダンボールに「西園寺専用。触るな! 危険」と書いてやった。だいたいこいつに木の机など十年早い。    

 しかし、西園寺のチームが予選リーグまで来たということはそれなりに実力のあるチームだろう。チーム名は今まで聞いたことが無いのでおそらく西園寺が言った通りに中身の無い寄せ集めのチームだと思う。西園寺は馬鹿だがお金は持っている。注意する必要があるかもしれない。後でタリアに情報をもらおう。

 西園寺が教室に戻ってくるとダンボールの机のことでやたらとうるさく騒いだが俺は無視することにした。西園寺は真っ先に俺を疑ったが俺はお前の机は前からダンボールだったじゃないかと言ったらクラスメイトはみんな同意してくれた。そのうち先生が来たのでその日、西園寺はダンボールの机で授業を受けていた。先生は西園寺に関しては一度見て何事か言おうと思ったらしいが10秒程考えてスルーすることに決めて何事も無く授業を進めていた。どうやら普段の行いがものを言うらしい。俺も気をつけないとな。


ご拝読ありがとうございます。

 全話から少し間が空いてしまいましたがようやく戦いが始まりそうです。よろしくお願いいたします。

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