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ネトゲ女  作者: kaji
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第四十六話「交流戦(前編)」

 1週間後、ねこねここねこの転校激励も兼ねて交流戦が行われることになった。場所は「峡谷」のステージで19時半の開始だ。レッドウィングとブルーウィングに加えてタリア隊も参加してくれるとのことなので俺は久しぶりにわくわくしていた。

 メンバーの割り振りは事前にタリアとアイカとで相談して決めた。うまくバランスよく割り振りするのに非常に苦労したがまあこれでいいだろうという所で落ち着かせた。ちなみにメンバーこのような感じにした。


Aチーム


リーダー タリア(支援魔法使い タリア隊)


第1PT

リーダー タリア(支援魔法使い タリア隊)


メンバー

タリア(支援魔法使い タリア隊)、ケミカルパンク(剣士 ブルーウィング)、 来期は2軍(牧師 レッドウィング) ヒルマン=ナイフ(弓師 タリア隊)雄星民営化(剣士 タリア隊)スパークリング(ロボット タリア隊)ライト・ヒア・スタンディング(弓師 タリア隊)


第2PT

リーダー ホップステップごま塩(ナイト タリア隊)


メンバー

かいわれ男爵(支援系魔法使い レッドウィング) オニキス(牧師 タリア隊)メッ祭(支援系魔法使い タリア隊)サイキッカー(攻撃系魔法使い ブルーウィング) ホップステップごま塩(ナイト タリア隊)ラストライフ(弓師 タリア隊)わんわん物語(剣士 レッドウィング)


Bチーム


リーダーねこねここねこ(弓師 レッドウィング)


第1PT

リーダー ねこねここねこ(弓師 レッドウィング)


メンバー

ねこねここねこ(弓師 レッドウィング)、惨劇のクマさん(支援系魔法使い ブルーウィング) カメルーンの星(牧師 タリア隊)ロマンチストジャーニー(槍師 ブルーウィング) 近未来ハウスキーパー(攻撃系魔法使い レッドウィング) インフレーション(剣士 タリア隊)佐藤協奏曲(支援系魔法使 タリア隊)


第2PT

リーダー ケミカルアイカ(弓師 ブルーウィング)


メンバー

ケミカルアイカ(弓師 ブルーウィング)ニートは人間国宝(支援系魔法使い レッドウィング)君は夢を見る(牧師 ブルーウィング) 混ぜるな危険(攻撃系魔法使い タリア隊)、フリーライター猿(剣士 レッドウィング) 加重300%(支援系牧師 ブルーウィング) ささくればくはつ(弓師 タリア隊)


うまくレッドウィングとブルーウィングとタリア隊のメンバーをシャッフルできたかなと思う。力関係も考慮に入れないといけないのでそこをうまく調節した。せっかくなのでここでチーム分析をしてみようと思う。

Aチームは第1パーティーの自分で言うのもなんだが俺とタリアのタッグだ。俺がファンタジークエスト屈指の支援を受けたくて駄々を捏ねて何とか実現にこぎ着けた。

第2パーティーはタリア隊の最大火力ホップステップごま塩とわんわん物語に加え、かいわれ男爵とメッ祭と支援魔法使い2人の豪華な体制だ。

全体では剣士、ナイトの近距離攻撃陣が多いのでどれだけ相手の懐に潜り込めるかが鍵だ。後はタリアを始めとする支援陣が突っ込む剣士をどうカバーするかだ。

相手のBチームは弓師が豊富だ。ねこねここねことケミカルアイカとタリア隊のささくればくはつの遠距離攻撃が俺たちAチームの剣士を射程内まで近づけないだろう。支援に惨劇のクマさんとニートは人間国宝がいることで派手さはないが堅実な守備で俺たちのポイントを阻止してくるだろう。それに加え、相手の剣士対策として加重300%がいることも見逃せない。これで剣士陣の足止めは完璧だ。

戦いの場所の「峡谷」はマップの真ん中に広い湖があり橋を渡って湖の浮島まで行ける。その周りを標高の高い山で囲まれている。たまに落石があるから注意が必要だ。道幅が狭い場所が多いので1対1の対決が多いステージで個人技に自信のあるチームは狭い場所に誘い込んで1対1で勝負することが多い。俺たちAチームは個人技に優れているので狭い場所で戦うことになると思う。

 俺は19時20分にチーム戦のステージにログインした。すでに殆どのメンバーが揃っていた。今回は交流戦なので試合時間の30分のうち20分は普通にチーム戦をして残り10分は何かイベントをすることになっていた。アイカとタリアに聞いたが何をするかは教えてくれなかった。



ニートは人間国宝 ついにこの時が来たな。パンク。


ケミカルパンク ああ。だな。


ケミカルアイカ 兄さん勝負っす。


タリア まさかあなたと組むことになるなんてね。


ケミカルパンク 全くだ。


ささくればくはつ タリア様あああ。ご覚悟。



俺たちAチームは簡単に今回の動きを確認しあった。剣士を中心に相手のチームの懐に入って後はタリア達支援陣にどれくらいカバーしてもらうかだ。相手の弓陣がかなり強力なのでかなり苦戦が予想される。



『試合が開始されました』



試合の開始が宣言され、牧師と支援魔法使いに支援スキルをかけてもらった。さすがタリアだ。いい支援スキルだ。「スピード」をかけてもらったがいつもより動きがいい気がする。



タリア パンク。今日は私がリーダーだからね。指示は私が出すから従ってよ。


ケミカルパンク ああ。分かったよ。くそ。


タリア ふふ。


俺はAチームのリーダー決めじゃんけんで負けてしまったので今回は指示する権限を持ち合わせていなかった。まあ交流戦だし、たまには肩の力を抜いてやるのもいいかもしれない。タリアに指示されるのは気に食わないがしょうが無いだろう。

 支援がかけおわるとタリアの後について進んでいった。峡谷の頂上がスタート地点なので山を下るような形になる。タリアは狭い所を好んで進んで行くようだった。どうやら弓に死角になりやすい狭い所で勝負しようとしているようだ。

 しばらくすると相手が見えてきた。峡谷の一番下の湖の広い所で待ち伏せをしているようだ。やはり向こうは弓陣が多いので広い場所で勝負したいようだ。



ホップステップごま塩 タリア様どうします?


タリア そうねえ……。


ケミカルパンク 突っ込もうぜ。行けるって。


タリア 平隊員は黙っていなさい!


ケミカルパンク はい……。


タリア とりあえず様子を見ましょう。


ホップステップごま塩 了解です。



俺たちは仕方がなくタリアの命令に従って、しばらく相手の出方を待っていた。しかし、なかなか相手は攻撃をしてくる様子は無かった。たまに近くまでフリーライター猿が一人で攻撃をかけてきたが倒せそうな所までくるとワープで相手チームに戻って行くので倒すまでに至らなかった。



タリア やはり待っているのは私の性に合わない。行くよ!


ケミカルパンク おしゃあああ! 待っていましたああ!


ホップステップごま塩 では剣士陣、私に付いて来い。


タリア スパークリング。煙幕お願い。


スパークリング 了解です。



ごま塩を先頭にして俺たち剣士陣は相手に突っ込んで行った。ロボットのスパークリングが煙幕を使って俺たちの姿を煙で隠した。少しでも的を絞りにくくするためだ。



タリア 支援を狙え。回復させなくするんだ。


ケミカルパンク 了解だ!



俺たちは支援魔法使いを優先して攻撃した。目標はニートは人間国宝だ。



サイキッカー うーん。痛すぎる。


ホップステップごま塩 もっと動き回ってタゲを外せ。死ぬぞ。


ケミカルパンク タリアさぼってるんじゃねえだろうな。死んでるぞ。


タリア うるさいな。HPの減りが激しすぎて間に合わないんだよ



たぶん弓師の攻撃だと思うが痛すぎる。射程が広すぎるので一度的を絞られると画面外に出ないとタゲが外れない。余り離れすぎると支援魔法使いの回復範囲からも離れるので離れる訳にもいかない。そこをうまく立ちまわるのがなかなか難しいのだ。

こちらは向こうよりもタリア隊のメンバーが多いので結構得点を取られるが、それ以上におれは相手を倒した。今回はタリアのおかげで支援がいつもよりいいので非常に調子がいい。相手の支援もタリアに比べれば甘いのでごま塩とタゲを合わせればかなり高い確率で相手を倒せた。



ニートは人間国宝 しまった。くそおおお。パンクがあ。



ついにニートを倒した。そこで相手はワープを使って一度引き上げて行った。怖いくらいの調子の良さだった。俺たちは得点で勝っているので峡谷の狭い通路のような所で待ち構えることにした。

 しばらく待っていると相手がやって来た。こちらが待ち構えていることに気づくと少々躊躇しているように見えたが突っ込んできた。



タリア 迎え撃つぞ。


ケミカルパンク しゃあー! 来い!



さっきの要領でごま塩とわんわんと雄星民営化とタゲをできるだけ合わせるように支援魔法使い中心に攻めることにした。



ホップステップごま塩 く。しまった。足止めか。


ケミカルパンク 加重か。



ごま塩が足止めされて行動不可能に陥っていた。加重300%の足止めスキル「懺悔の時間」だろう。ナイトが足止めされるとどうしようもない。こっちがやられてみて分かるがなんてやっかいなスキルだ。忌々しい。



ケミカルパンク どうする? タリア。


タリア ……。現状のままで行く。ごま塩は捨てる。私も攻撃に参加する。


ケミカルパンク 了解だ。



いい判断だった。ごま塩が戦えなくなるのは痛いが牧師は守備力に優れているので基本狙わないのが定石だ。加重300%には好きにやらせることにしよう。俺たちは他の弱い相手を倒すことにした。

 今までごま塩に集まっていたタゲが俺に集まって来た。ごま塩がいなくなって邪魔になるのは俺だ。まあ当然の作戦だろう。しかし、やばいな。痛すぎる。俺は円に回りながら何とかタゲを絞らせないようにした。



タリア 行くぞ。食らえ!



 タリアの「小惑星落とし」が連発した。画面が大きく揺れ、それに加えロボットの煙幕で何が何だか分からない。タリアの「小惑星落とし」で相手のHPがかなり減っている。俺はこのチャンスに乗じて相手をばんばん倒した。レベルの低いロマンチストジャーニーや佐藤協奏曲や混ぜるな危険などは何回でも倒せたがさすがにねこねこやアイカは倒すまでには至らなかった。火力なので攻撃力重視のスキル振りをしているはずだがプレイヤースキルで上手く死ぬのを回避しているのだろう。さすがだ。相手ながらあっぱれだ。できるなら1回倒したかったが仕方がない。まあまた機会があるだろう。



ケミカルアイカ 終了っすよ―。攻撃止めー。


タリア 終了だ。止め。



 めちゃくちゃな混戦になりながら終了時間の20分になったので打ち切りになった。一応ポイントで勝っていた。どうやら前半の貯金が功を奏したようだ。


ご拝読ありがとうございます。

 意外と長かったので後編も用意しました。

 次回投稿は2月14日を予定しております。よろしくお願いします。

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