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6 チートというよりバグレベル?

「本当に信じられないわ………」

「あなた達自覚があるの?」


 声を高々に上げるのは色白の金髪美少女。


 透き通るブルーの目を見つめるだけで虜にされてしまう程美しい。こっちの世界で言うなら高校生位の年だろう。



 -数時間前-



 ゴブリンロードを倒し女の子を救った俺達は、一度アパートへ戻り話を聞くことにした。

 まだ何がいるか分からない駐車場より、アパートのが安全だと判断したからだ。


 エンの部屋に入りすぐ、ケイジは床に大の字で寝転がった。エンと少女はソファーに座り口を開く。


「先程は助けていただき本当に、本当にありがとうございました。」

「私はエルフ族のハルラーベラル・クリスティナと申します。」


 少女は胸まで伸びた金髪を耳にかけ、エンに微笑んだ。


(この子の耳…………本当にエルフだ…)


「俺はエン、そっちに転がっているのがケイジだ。好きに呼んでくれて構わないよ」

「はい。私のこともハルとお呼びくださいエン様、ケイジ様。」

「様はいらないよーハル」

「分かりましたエンさ……エン。」ニコ


(やっばいな可愛いなー)


「ところでハル、どうしてゴブリンに捕まったんだ?」


 ハルの表情が少し曇る。


「……はい。私は世界が変わった日、目が覚めると知らぬ土地見知らぬ森の中でした。最初は訳が分からず家族を、村の皆を探していたのですがすぐに気付きました。遠い場所に来てしまったのだと。」


「なぜ、遠い場所だと?」


「はい。大きな音をたてた鉄の塊モンスターが凄い速さで走っておりました。私の住んでいた周辺及び人里でも、見たことも聞いたこともありませんでしたから。」


(あ、車のことかーってことは本当にハルは()()()の世界の住人かー)


「それでも小川から水を、知っている花木から果物を食べて過ごしていました。しかし、ゴブリンロードに見つかり為す術もなく捕まってしまいました。」


「ゴブリンに捕まった女の人の結末は、考えただけで身が震える程恐ろしいものです。あの時エンとケイジが来てくれなかったと思うと………」ウル


 ハルの肩は小刻みに震えている。


「ハルはもう安全だよ、大丈夫」


「……本当にありがとう。」


(やっぱゴブリンは俺が知ってる通りの様だな)



「お聞きしたいのですが、エンとケイジはどこかの国の傭兵さんでしょうか?」


 少し首をかしげハルが聞く。


(多分ハルは二つの世界が混ざっていることをしらない)



「俺達は…………


 エンはあの日からの事をハルに伝えた。


 自分達がどの様な世界で生きていたか、それからどの様に今まで生きてきたか。予測も踏まえ様々な情報を擦り合わせた。



「そんな事が起こっているとは思いもしませんでした……」

「俺も今でもちょっと疑ってるよー」

「それにしても魔物がいない世界、とても素敵ですね。」

「どうだろう、魔物がいなくても俺の世界では人が人を殺すからな」

「……そうなんですね。」


(現状を満足すると更なる欲が出るのは人間の性だ)


(いくら個人が頑張っても大多数には敵わない)


(魔物という敵がいることで人同士が団結できる世界の方が良いとも思えるが)


(どちらにしろ悲しみが完全に無くなることはあり得ないだろうなー)


「どうしました?」

「ああ、ごめん何でもないよー」

「あ、そうだエン。良かったらでいいのですが私とパーティーを組んでくれませんか?」

「パーティー?」

「はい。パーティーを組むと魔力を込めればお互いの生存確認ができますし、高レベルになれば連絡を取り合うことが出来ますよ。」

「どうすればいいんだー?」

「まず白プレートを出して下さい。」


(あー、左手のやつか。そう言えばストレージ画面しかほとんど見てないな)


「手を繋いで下さい。」ニコ


 左手を伸ばして待つハルに、自分の左手を差し出す。


「では、少しだけ魔力を込めてください」

「魔力ってどうするのー?」

「えっ??」


 手を繋いでいる二人がキョトンとした顔で見つめ合う…


(やばい、向こうでは常識っぽいな。とりあえず漫画の知識だと体から蛇口で絞り出すイメージだよな)


 二人の左手が大きく輝き出す。


「エン。少し魔力を抑えて。」

「ごめん、こんなもんか?」

「はい。大丈夫です成功しましたよ」


 ハルの手を離し、自分のプレートを確認してみる。




 -風間 縁-


 パーティー :1

 スキル :122

 ストレージ :249/1000






(おーパーティーの数が増えてる。それにしてもスキル122!?何だこれ?)



「エン。あなた……本当に何者なの…?」

「なんなの。このレベルは?」


 ハルは驚きからソファーのしたに落ちていた。


「俺ステータスプレート消しちゃって自分のレベルとか分からないんだー」

「なによそれ。白プレートのパーティーを押してみてよ。」

「そこに私の名前と自分の名前があるでしょ?自分の名前を押してみて。




 -パーティ一覧-


 ハルラーベラル・クリスティナ LV14





  δ風間 縁δ




(あった、ハル意外とレベル高いなー)


(えーと、自分の名前っと)ポチ


(おっ右手のステータスプレート出たぞ)



「…………………………………………………」



「えぇぇーーーーーー!!!!」




 -風間 縁 ♂ 26歳 LV173-


 HP :210000

 MP :72000

 ATK:180000

 DEF:175000

 LUK:550




「とても有名な王国の戦士長でさえLV72ですよ……」

「エルフ族長から聞いたのですが、全ての種族を入れてもLV70を越える者は『臨界者』と呼ばれています。」


(なんだこのチート展開…ウサギとゴブリン狩ってただけだぞ)



「知られているだけでも5人しかいませんよ。」

「そんなに有名なのかー?」

「有名どころか神話級ですよ。」

「その5人の中にさっきのゴブリンロードも入っていたのか?」

「いいえ。………まさか…」

「ああ、LV86って表示されてただろう?」

「私には見えませんでした。多分エンのスキルでしょうね。」


 少しあきれた顔でため息をつくハル。


(ってことは多分ケイジもか!)


 エンはソファーを飛び降りケイジの元に向かった。


「おいケイジ起きろ!!」ドカ


 大の字で寝ていたケイジは勢い良く飛び起きた。


「カタツムリの子分かっ?」

「なに寝ぼけてんだよー」パシッ


 回りを見渡したケイジはゆっくりと床に座る。


「おーエン、それにさっきの嬢ちゃん!」


 すぐにケイジの左手を取り手を繋ぐ。


「ケイジ左手に全ての力を集中しろ」

「は?」


「お前の左手をさっきハブが噛んだんだよ、毒を抜かなきゃ死ぬぞー」

「まじかよ!本気出すぞ!」

「そうだよ、血を全部左手から抜くイメージだ」


 二人の左手から鮮やかな光が溢れ出す。




 -風間 縁-


 パーティー :2

 スキル :122

 ストレージ :249/1000




(よし、成功だな)



 エンは急いでソファーに戻る。


「エン助けてくれ!血が出てこない!


「ハル、適当に相手してやっててくれー」


 白プレート、パーティーっと



 -パーティ一覧-


 ハルラーベラル・クリスティナ LV14


 木元 慶二 LV156




  δ風間 縁δ




(やっぱり神話級の2倍以上だな……)



「エン聞いてくれ!ハルが治してくれたぞ!この子魔法使いだよ!」


「ハル、ありがとう」

「いいんですよ。」ニコ

「ケイジ、白プレートのパーティー画面から自分の名前を押してみてくれ」


 ケイジは操作を行うが、とても動きがもどかしい。


「お!右手のプレート復活したぞ!」

「それを上から読んでみてくれ」




 -木元 慶二 ♂ 26歳 LV156-


 HP :230000

 MP :8

 ATK:160000

 DEF:160000

 LUK:999



「おい!完全に宇宙恐竜ゼットンだろ俺!」

「宇宙…恐竜…?」



 腕を組んでどや顔しているケイジにハルが幼い瞳で問いかける。



「無敵ってことだよ!最強だ!ははは!」





 -ハルラーベラル・クリスティナ ♀ 76歳 LV14-


 HP :1200

 MP :1800

 ATK:900

 DEF:750

 LUK:280



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