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59 寂肉凶食

 王と言う名の独裁者。

 この国の2割に入らなければ人ではない。

 その2割の人の道具でしかないのだ。、


「王よ、またお楽しみですかな?」

「新しいのを大量に捕らえたからな」

「ガルシブ周辺の敵対勢力はほぼ壊滅ですからね、流石我が王ですね」

「御主は右腕だ、頼りにしている」

「嬉しき御言葉、有り難き幸せ」



『人狩り』それはガルシブで王の命令により頻繁に行われている。

 今この世界では人は資源であり、とても貴重な労働力だ。

 王は自らの軍隊を国土外に派遣し、人を拐って連れて帰えらせている。それこそ人狩りだ。

 捕らえてきた(資源)は徹底的に教育(暴力)して一切の反抗を許さない。

 そして教育(暴力)が終わった者に階級が与えられる。

 胸に消えない烙印と共に『奴隷』という階級が。

 二度と国から出ることは出来ず、生涯を頑丈な鎖で縛られるのだ。



「我が右腕よ、じいを呼んできてくれるか?」

「はい、直ぐにお呼び致します」


 右腕と呼ばれる青年は部屋を急いで飛び出した。

 この青年はガルシブでも3本の指に入る程、高レベルで武力で今の地位にのしあがった。

 名前は(きり)王の付き人の一人だ。



「この老いぼれをお呼びでしょうか王」


「奴は見つかったのか?」


「申し訳ございませんまだ捜索中であります、しかし見つかるのは時間の問題かと」


「ギルド長ギルガッドを呼べ」


「………承知致しました、内密と言うことですね」


(小賢しい蛆虫をどう痛め付けてやるか)



 -ガルシブ冒険者組合ギルド-


「相変わらずへんぴな仕事しかねーな」


 そう愚痴を漏らす男はこのギルドに登録している冒険者だ。


「仕方がないでしょ、本来冒険者の仕事をお国の兵隊さんが行っちゃうんだから」


 ギルドの受付で働くユーフィユが答える。


「このレベルでお使い仕事ばっかりでやってらんないよな」


「仕事があるだけましなんじゃない、この国じゃね」


「確かにな、一定レベル以下の冒険者の奴らは奴隷に成り下がったもんな」


「勝さんがいた頃は皆が笑顔で賑わってたのにね………ここも………」


「おいユーフィユ!それは口にするな!俺らはあの事件を信じてないけど、大半の人は鵜呑みにしてるんだから!」


「……あっ……ごめんねつい思い出しちゃって」


 ユーフィユが悲しい顔を浮かべていた。

 ギルドにはこの二人しかいなかった為、事なきを得たが本来ガルシブでは『渡辺勝』の肯定的な発言は処罰が下される。


「今日は裸の親分はどうしたんだ?」


「ギルド長ね、あの人買い物行ったきり戻って来ないのよ」


「子供かよ!まあいい俺はこの仕事行ってくるから手続きやっといてくれユーフィユ」


「分かったわ、気を付けてねカズ」


「気を付けるって貴族の子守りだぞ」


 カズと呼ばれた冒険者はギルドを後にした。



「それにしても暇ねー、冒険者ギルドなんて名ばかりで雑用請負店だものねー」


 呆れ顔でユーフィユが呟いていると


 カランカランッ!


「失礼します」


 入って来たのはおじいさんだった。


「……あなたは確かガルシア様の……」


「はい、参謀という名の付き人やらさせて頂いてます。じいとお呼び下さい」


「……じい様、どの様なご用件でこのギルドに?」


「ギルガッド様に用がありまして、今どちらにいらっしゃいますかな?」


「申し訳ありません、あいにくギルド長は今外出しております」


「そうですか、戻られますかな?」


「買い出しに行っているだけなので戻るとは思いますが……」


「ではギルド内で待たせて頂いても宜しいでしょうか?」


「構いませんよ、そしたら客室に案内致しますね」


 私は丁重にじい様を客室に案内した。

 しかし王の側近がギルド長に何の用だろう。


 ギルド長はガルシブでも有数の実力者の為、王に直接呼ばれる事は何度かあった。しかし、こうしてお偉いさん自らギルドに来られたのは初めての出来事であった。


「お名前をお聞きしても宜しいですかな?」


「申し遅れました、私はこのギルドで働いているユーフィユと申します。」


「ユーフィユさんですね、気を使わず放置して頂ければ結構ですよ」


「はい、それでは失礼します」


 客室から出て入り口付近でギルド長の帰りを待った。


「あの万年上裸のセクハラギルド長、どこほっつき歩いてるのよ」


「セクハラギルド長って俺の事かな?」


「……フェッ!脅かさないで下さいよ」


 ユーフィユの後ろから子供が悪戯をする時の顔でギルド長が現れた。もちろん上裸だ。


「ギルド長にお客さんが来ていますよ」


「珍しいな、誰かな?」


「王の付き人であるじい様です」


 ギルド長の顔色が変わった気がした。



「御待たせしてすみません、お久しぶりですねじい様」


「いえ急に押し掛けたのはこちらですのでギルガッド様、お忙しい所申し訳ございません」


 ギルガッドは置いてある飲み物を一口飲み切り込んだ。


「早速ですが今日は何用でしょう?」


「ある囚人が脱走したことは御存知でしょうか?」


「噂程度では、あれは事実なのですか?」


「ギルガッド様に嘘は付けません、事実でごさいます」


「……それで俺に何をしろと?」


「率直に申し上げるとギルガッド様に、囚人『渡辺勝』を逃がす手助けをした疑いが掛けられています」


 何となく話が読めてきたな。

 今回の件を利用して俺を含めた実力者を、完全に自分の手元に置こうと企んでるな。

 ガルシアの考えそうな事だ。


「一度王の元に一緒に来て頂けますか?」





 -ギルガッド・セイン(ギルド長) LV69-


 HP :31000

 MP :950

 ATK:35500

 DEF:28500

 LUK:299


 ガルシブで冒険者組合のギルド長。

 365日上裸であり、服(上)を着ているのを見ると願いが叶うという都市伝説まで出来るほどの変人。



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