表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/78

4 刺激的な日常

 ワンルームに黒いソファー、その前には32インチのTV。ベランダへの窓の側には敷き布団。

 エンの部屋は物が少なくスッキリしている。



「今日の戦利品を確認しようぜ!」

「そうだなー床に並べるかー」


 そう言ってエンはソファーで、ケイジは床で左手を上げる。


「兎皮×10」

「ゴブリンの牙×25」

「ゴブリンの角×28」

「魔石×50」

「???×2」

「透明宝石×2」

「赤宝石×3」

「青宝石×3」



「今日は結構頑張ったから疲れたなー」

「俺は後8時間は続けられたけどな!」

「あ、そうだ!毎回思うけどゴブリンの角とかいるのか?エンが持ち帰れって言うから取ってきてるが!」

「後々使うことになるよー多分ね」

「なら良いんだがよ!今日はまだまだ動き足りねーな!」

「はいはい、戦利品分けたら飯にしよう」

「おう!腹がへっては風呂場を養えないからな」

「そーだなー」 


(腹が減っては戦ができぬの事だよな…)


 エンは床に風呂敷を広げ、上にのった兎肉を取り出しそのまま口に運ぶ。


「あ、エン1番デカイの食ったな」


 そう言うとすぐにケイジも風呂敷の上の兎肉にかぶり付く。


「兎肉、旨いけど飽きてきたなー」

「確かに()()()からこれしか食ってねーな」


 ()()()……空から大陸が降ってきた時から、生活に必要不可欠なライフラインが止まった。

 水道、電気、ガス、文明が退化したと言っても過言ではない。


 最初の方は、冷蔵庫に入っていた食料や非常食で食いつないだ。だがそれも3日で尽きる程度だった。


 生きていく為に俺とケイジは近場で食料を探し、宝ウサギの巣を見つけた。

 それからというもの罠を作り仕掛け、毎日捕獲する日々だ。ゴブリンが横取りしようと襲ってくるのを退治するのも日課になっている。


 アパートの他住民はというと、すぐに飛び出していった。多分家族や大切な人を探しに行ったのだろう。中には森の中を車で突っ切った猛者もいた。


「なあエン!」

「んー?」

「皆無事に生きてっかな?」

「……分からない」

「だよな!信じるしかねーか」

「そうだね」


(家族や友達が心配なのは俺も一緒だ)


(探しに行きたくとも()()()を見てしまった)


(今を生きるのが精一杯で、お互い分かっている)


「今は強くなるしかないよ」


 エンはそう言って強く拳を握りしめる。


「そう言えば俺達ステータスプレート消しちゃってレベルとかわかんねーじゃん?」

「そうだねー」

「けどこの3ヶ月で明らかに体が軽くなったし、パワーも上がった気がするよな!」

「言われてみればそうだねー」

「俺多分全盛期のタイソン並みだぞ」

「タイソンもレベル上がってたら今が全盛期だろー」

「はっはっは!流石だなエン!」


 言われてみれば()()()()の時と比べると、余裕でオリンピック全種目を金色で飾る事が出来る位の能力になっている。


(ウサギを獲る為の動きしかしていなかったから、今度色々試してみるかー)


「そこでだエン!!!」


 刺激物でも入れた様に目を開いて大声を出す。


「そろそろあそこにリベンジだろ!」

「行ってみ何とかドーの事かー?」

「そうだ!あのスーパーなら飯がたくさんあるだろ!」

「あれは無理ー()()()の少し後に覗いた時、ゴブリンが100はいただろー」

「それに()()()がいるだろ」

「何か今ならイケる気がすんだよ!」

「ちょっと行ってくるわ!」


 ケイジは立ち上がり玄関に歩いていく。


「待てケイジ、流石に危険過ぎる夜だし」

「お土産買ってくるから待ってろよ!」ニコ

「いや、ゴブリンレジ打てないだろー」

「確かに、万引きしてくる!」ニコ

「待てって!」

「俺も行くから明日の昼にしよう」

「しょーがねーな、まあ明日でもいいか!」


 ケイジは頭を掻く仕草をしながらゆっくり戻ってきた。


(はあー……今の状況分かってるのかこのバカ)





 -ゴブリンベビー LV1-


 HP :30

 MP :0

 ATK:75

 DEF:20

 LUK:3



 δ とても活発で狂暴。実力は牙の鋭いガキ大将位だ。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ