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55 特訓訓練練習

「エルくん。見張り大丈夫ですよ。少しは体を休めたら?」


 ハルさんの言葉に首を横に振る。


 あの後聞いたのだが、このテント(どう見ても家)は魔法が掛かっている。

 使用者が認可した者以外には外からだと見えないらしい。しかも中から外の状況が分かる優れものだ。

 なので見張りなど本当は必要ない。


「良いよハルちゃん、そっとしとこー」

「本当に優しいのねエルくんは。見張りを進んでやってくれるなんて。」


「………今日は意味合いが違うと思うけどねー」



 気付いたら夜が明け朝を迎えていた。

 こんなに眠くならなかったのは人生で初めての経験だった。



「おはようエルくん。」

「おはようハルさん、ご飯作ってありますよ」

「ありがとう。」ニコ


 俺は準備していた朝御飯を広げた。


「ティナ起きないですよね?起こしてきますね」

「ええ。いつもエルくんが?」

「はい、起こすのにコツがいるんですよ」


 俺はティナを起こしにテントに入った。

 その数秒後テントから出てきたのはティナだった。


「ハルちゃんおはよー」

「おはようティナちゃん。眠そうね。」

「眠くないよー、寝てると朝御飯全エルに部食べられちゃうからー」


 遅れてテントから出てきた俺にハルさんは目配せし微笑んだ。


「さあー今日も頑張るぞー」

「昨日のペースで行けばあと4日程で着くわね。」

「えーそんなにー……。エルおん「却下だ!自分で歩けよ」

「まだ全部言ってないじゃんー」



 ティナをあしらいまた歩を進め始めた。

 歩きながらふと考えた。

 あと4日程あるならただ進むだけではもったいないな。

 せっかくハルさんが一緒なんだ、ダメ元でお願いしてみよう。


「ハルさんお願いがあります!」

「どうしたのー。」

「道中稽古をつけて頂けないでしょうか?」


「いいよ。エンの様に教え方上手くないけど私で良ければ。」ニコ


 ハルが二つ返事でオッケーをだす。


「よっしゃー!ありがとうございます!」

「ティナちゃんはどうする?」

「………私は応援するー!」

「おま………せっかくハルさん程の実力者が稽古してくれるんだぞ、めんどくさがるなよ」

「違うよ、私はハルちゃんの動きや魔法の使い方、魔力の分配とかを見て学ぶの!」

「フフ。ティナちゃん真面目ね。」


 いやいや、こいつ思っても無いことを。

 俺は知っている、この如何にもな真顔が、めんどくさい時や怠い時にする顔だと……。


 まあ良い俺は少しでも強くなる。


「ハルさんお願いします!」

「道中に出来ること。……回避の特訓をしましょう。今から魔法で攻撃します。スキルを使わずに全て避けてね。」


「はい!」



 ドォーンッ!

 バゴォーン!


 前方にいる俺に魔法を放つハルさん。

 もう一時間程、進みながら魔法を避けている。

 森の中で足場が悪い事もあり、予想以上に早く体力を消耗している。


火の玉(ファイアボール)×8」

水の玉(ウォータボール)×8」

氷の玉(アイスボール)×8」


 エルはバックステップで器用に一つ一つしっかりと見切っている。

 頭の中で空間を把握、速度を計算して無駄の無い最小限の動きだ。


「……エンの動きに似てる。流石ね。なら少しレベルを上げるよ。」


氷の玉(アイスボール)


「…!?」


 さっきよりスピードが上がったな。

 けどこのくらいじゃまだ余裕で………!!


「グゥッ!」ドテ


 エルは完全に氷の玉を避けた筈だった。

 しかし氷の玉はエルのお腹に命中、そして体勢を崩して転んだ。


「惜しかったね。怪我はない?」


 ハルさんが手を差し伸べてくれた。


「はい、平気です。それより今のは死角からの追跡ですね」

「正確。目だけに頼ると見抜けないよ。」

「凄く勉強になりました!」


 ハルが放った魔法は一見一つの氷の玉だが、実は死角にもう一つ同じ氷の玉を同時に放っていたのだ。

 軌道は同じため避けてしまえば問題ないのだが、ハルは二つ目の方に追跡魔法を重ねていた。

 エルは最小限の動きだった為、避けてから気付くでは手遅れだった。


「エルまだ一時間ちょいよー踏ん張りなさいよ」

「予想以上にきついんだよ!集中しっぱなしなんだから」

「情けないわねーハルちゃんとても手加減してるのに」

「分かってる俺は弱い、けど絶対に強くなってやるんだ」


 俺の言葉にティナもハルさんもニッコリしている。

 けどむかつく事がある。

 俺はティナを呼び寄せて頭をグリグリした。


「痛い、いたーいエルなんなのよ?」

「お前ハルさんに隠れて妨害魔法連発しやがって!」

「えっバレてたの?訓練だよくんれんー!」

「じゃあなんで回避の訓練なのに、俺の防御力下げるんだよ?」

「それはーカエル見たいにひっくり返るエルが見たかったからー」


 コツンッ!


 ティナを軽く小突いた、それを見たこハルさんは笑っている。


「本当に仲が良いのね。」ニコ

「ぜーんぜん!私とハルちゃんのが仲良いよ」

「やれやれ、じゃあティナのご飯は準備しなくて良いよな?」

「嘘ごめん!エル大好きよ!エルのご飯も!」



 心が満ち足りる平和な冒険が続いていく。



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