3 現実世界にパラメーター
「ケイジ!後ろに回り込め!」
「了解だお代官様!」
「捕獲任務完了!!」
森の中で素早い宝ウサギを捕獲することに成功した。
「いやーこのウサギは本当捕まえるの大変だよな」
服の泥を払いながらケイジが呟く。
「ああ、やっと3匹目だが背中に付いている宝石が全て違うな!」
「今回の奴はこれ、ダイヤモンドじゃねーか?」
「毎回それ言うな、それに少し今回の黒いぞ」
「じゃあ今回のはブラックダイヤだな!」
(こんなのみたことないな、本当こ・ち・ら・の物なのか?)
-3週間前-
「おいエン!捕まえてきたぞ!」
そう言ってニコニコしながらケイジは手に持っている大きめな洗濯籠を床に置いた。
「こいつを倒せばエンにもこのプレートが見える様になるぞ!」
「それとさっきまで分からなかったがこいつの名前ゴブリンベビーらしいぜ!」
「何でケイジが分かるんだよ?」
「頭の上に書いてあるだろ!」
(俺には見えない……)
(それにさっきLVがどうとか)
(もう、間違いないないだろうな)
「このゴブリンどうしたんだ?動かないぞ」
「ゴブリンベビーだ!」
「エンに渡す為に外で探してたら運良く襲ってきた」
「最初は話しかけたんだけど、腹噛まれたから殴った!」
洗濯籠の中にいるゴブリンベビーはひっくり返ってピクピクしている。
(レベルアップしないとプレートが見えないのは分かったが、殺すのに抵抗があるな)
すると突然洗濯籠に入っていたゴブリンベビーが物凄い形相でエンに飛び掛かってきた。
「ピキャギャ」ガッ
「うわっ!このやろー!」ドカ
とっさに足下に転がっていた目覚まし時計を握りゴブリンベビーを殴った。
ゴブリンベビーは床にひれ伏し動かなくなった。その隣には紫色の小さい丸石が転がっていた。
『ゴゴゴゴーン』
(頭の中から鐘の音が?ケイジが言っていたな)
ふと右手に目線を下げると、右手の甲上に薄いピンク色のプレートが浮かんでいる。
触ろうとしても触れることは出来ない。
-風間 縁 LV1-
HP450/450
MP800
ATK400
(完全にステータスプレートだな……)
(今まではレベル0だったから見えなかったのか?)
(とにかく調べるしかないな)
「ケイジお前の言うとおりプレートが見える様になったよー」
「だろ!けどエンのは俺には見えないけどな!」
「本当かっ?」
(確かに…ケイジのプレート見えないな)
(ん、良く見るとプレートの右下に印があるな)
エンは反対の手で触れてみた。
(ここだけは触れるな…ん!?)
エンのプレートが消えた。
「消えた、隠せるのか、まあ他人は見えないからどっちでもいいけどな」
(ちょっと待て、再表示の仕方が分からない…)
「エン!ちょっと散歩してくるわ」
「おい何があるか分からないから危険だぞー」
「大丈夫だろ、グラサンかけた司会者捕まえてくる」
ケイジは爽快に玄関のドアを開け飛び出していった。
(司会者?森にいるわけ無いだろ……)
(それより他に変わったことはないか)
(アニメだと頭の中で考えれば、メニュー画面とかが出てきたり………)
「出てきた……」
今度はエンの左手の甲上に白いプレートが浮かんだ。
(さっきのもだがこのプレートは映像でもなさそうだな。不思議だ)
-風間 縁-
パーティー 0
スキル 0
ストレージ 0/15
(成る程な、大体分かった)
(セーブがあれば良かったんだがな)クス
エンは倒れたゴブリンベビーの隣にあった丸石を拾った。
ケイジが投げ飛ばした方にも行くと同じものが落ちていた。
「ストレージ」
エンがそう唱えると手のひらの丸石が消えた。
(成功だ、やはりプレートを出した状態で収納のイメージで発動するな)
(逆もそうだ、取り出すイメージで丸石が現れた)
「これはやっぱり魔石だよなー……」
-風間 縁 ♂ 25歳 LV1-
HP :450
MP :800
ATK:400
DEF:320
LUK:150