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40 計算された罠

 すっかり夜も明け、眩しい太陽が朝を照らす。


「おい、起きろザドン!」

「……おう、おはようエル」

「おはようじゃないだろ、見張りはどうしたんだよ」

「気付いたら寝ちまってたな、ガハハ!」

「…………………はぁ」


 ティナを起こして朝御飯を食べる。

 俺たちの1日が始まる。


「昨日よりペースを上げよう、出来るなら今日中には目的地近くまで行きたい」

「そうだな、頑張るぞティナ」

「うん、頑張るよー」


 極力モンスターに気付かれないように獣道を進む。

 体力はなるべく温存しておきたいからだ。


「あそこに何かいるぞ!」


 ザドンが指をさす先に小さな女の子がポツンと佇んでいた。

 こんな山の奥にどうしたのだろう……。

 俺たちは近付いて話を聞こうとした。


「ねえどうしたのこんなところでー?」

「…………………………」


 ティナの問い掛けにうつ向いたまま反応しない。

 良く見ると頭に猫耳の様な物が付いている。


「きゃー!可愛い、この子猫の亜人だよー」

「おい、いきなり抱きつくなよ怖がってるだろ」


(俺にはどちらかと言うと猫より狸だと思った)


「…………………………ぱぱ」


 女の子が微かに呟いた。


「ぱぱ?近くにいるのか?」


 俺の問いに女の子はゆっくり指をさした。

 その先にいたのは……………。


「………俺がパパか?ガハハ」

「どーゆー事なのザドン?ぱぱってなに?」

「俺は知らんぞ、混乱してるんじゃないか?」

「ほんとー?最低なことして隠してるんじゃないのー?」

「いやいや本当に知らんぞ」


 ティナは睨み付ける様にザドンを疑っている。

 そのザドンはとても焦っている様に感じた。


「俺はエル、君の名前を教えてくれるかな?」

「………ミルア…ミルアの名前はミルアだよ」

「ミルアちゃんか、どうしてこんな山の奥にいるのかな?」

「ミルアずっとぱぱを探してた、気が付いたらここにいた」


 ミルアちゃんは素直に答えてくれた。

 ザドンの過去に何かあったのかと思ったが、俺は少し違和感を感じた。


「やっぱりー、ザドンあんた最低ね」

「何で俺がパパだと思ったんだ?」


「……前にままに写真を見せて貰った、そっくり」

「…………………………………」

「もう黒ね!ちゃんと話し合いなさい!」


 ティナの提案で、ザドンとミルア二人きりで話し合いをすることになった。


「エル!私たちは少し離れた場所で待機するわよ」

「けどティナ、何かあったら………

「何もないわよ!感動の再会を邪魔しないの」


 俺の腕を掴み強引に引っ張る。

 しかしやっぱり引っ掛かる。

 何故ならミルアの服は真っ白のワンピースにも関わらず、汚れ一つ無い綺麗な物だったからだ。


(こんな山奥で少女があんなに綺麗なままでいられるかな?)



 待機を始めてから30分位は経っただろう。

 一向にザドン達が姿を現さない。


「なあティナ、やけに遅くないか?」

「バカねエル!感動の再会ってのは積もる話が貯まってるんだから仕方ないのよ」

「…………そういうものなのか」


 しかし、一時間経っても二時間経ってもいまだに戻ってこない。


「おい流石に遅すぎるだろ?」

「……そうね、ちょっとだけ覗きに行ってみよ」

「ああ、何か嫌な予感がする」


 俺たちはザドンとミルアが話し合いしている場所に向かった。だがそこには二人共いなかった。


「ザドン!どこだ?返事しろ!」

「ミルアちゃーん!どこいったのー?」


 シーン


「ティナ、ミルアのステータスは確認してたか?」

「ううん、全く疑ってなかった」

「そうか周辺の魔力感知頼む」

「了解!『魔力感知』」


「…………見つけた!けど反応が一つだけよ」


「ザドンはほとんど魔力無いからな」

「それにこの反応は相当強いよ」

「何を今さら、行くしか無いだろ」

「うん!」


 ティナの案内で全速力で向かった。

 結構な距離があったのだが何とかたどり着いた。


「これが魔力の感知元…………」

「完全に罠だな、やられた」


 たどり着いた場所には、魔力が込められた人形がポツンと置かれていた。

 妙にムカつく顔をした人形だった。


「この魔力量をダミーに残していくなんて、やばいぞ」

「敵なのかな?ミルアちゃんも敵とは思えない」

「考えを改めろティナ!希望的な観測は身を滅ぼすぞ」

「………………………うん」


 敵の狙いは何なのか?

 やはりザドンを狙った罠だったのか?

 そもそも誰の仕業なんだ。

 頭の中で色々な推測を立てるが疑問ばかり溢れてくる。


「なによこのムカつく人形は!!」


 ティナが人形に近付いて吠える。

 そのまま右手を高く突き上げ振りかざそうとした。


「待てティナ!それに触るな!」


 俺の声は少し遅かった。

 ティナが人形を叩いた瞬間、魔法陣が展開された。


「エル!」


 ティナの姿が消えた。

 転移系の魔法だろう、あまりにも高度な魔法だ。


「ティナーーー!!!」


 全身から血の気が引く感覚を冷静に体感する。





 ディーパスライム LV13-


 HP :650

 MP :0

 ATK:150

 DEF:40

 LUK:3


 姿に固定はなく、一体一体全て違う。

 スライム種の中では一番好戦的で動くもの全てを攻撃対象にするため、良く風に飛ばされたゴミを追っている。



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