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30 限界到達地点の上に

「ジェシカ様お逃げ下さい」

「馬鹿を申すな竜彦、帝国の王女が敵に背を向ける事などありえん」

「しかしジェシカ様あれは無理です……」

「分かっている、ここにいる帝国の実力者全員を足しても奴の足元にも力が届いてない事も」

「ならジェシカ様だけでも……」

「何度言っても無駄たぞ小僧!この方は信念を絶対に曲げんからな」

「騎士団長、一緒に説得してくれよ」

「俺はこんな王女だから今まで付いてきたのだ、覚悟を決めろ竜彦」

「皆すまない、一緒に死んでくれ」


 王女はこの魔物軍のトップであろう魔人に突っ込んだ。

 そのあとを竜彦と美鈴が追う。


「スキル 『限界突破』 『王の祝福』」


 王女ジェリカのこのスキルは、限界突破で現能力値を上げ、王の祝福で倍にする。

 さらにパーティーメンバーにも効果がある特殊スキルだ。



「極大魔法 帝王の裁き(クイーンアルドラク)


 魔人の真上から発動時間ノータイムで、巨大な光線が降り落とされた。


「竜彦、美鈴」


 魔法を放ちながらジェリカが叫ぶ。


「主君の願いを聞き届けろ」

「主君の輝きを目に焼き尽くせ」


「「極大混合魔法 信心従者の証(レットラ プルエーブ)」」


 魔人の左右から挟み込む形で、竜彦と美鈴が巨大な槍の形の光属性魔法で追撃する。

 それと同時で後方から光の龍が魔人に遅いかかった。


「流石のタイミングだ、総司令」


 この龍は魔法兵団総司令の極大魔法だとすぐ分かった。


「待たせた騎士団長、今だ!」


「剣を極めし波動の漣 『斬釵金凰烈』」


 帝国騎士団長のこの技は、自らの命を剣に与えれば与えるほど威力が上がる禁忌技だ。


 全ての攻撃が入り乱れ、魔人のいる場所で大爆発が起こった。

 範囲も絶大で王女一行も只では済まないほどだ。



「ジェリカ様、お怪我は?」


 フラフラの足取りで竜彦と美鈴が王女の元に向かう。


「我は大丈夫だが、団長が虫の息だ」


 騎士団長を抱えた王女が呟く。


「あの威力は相当命を削ってますね」

「ああ、馬鹿だがあれこそ正しく団長の器だ」

「ジェリカ様、竜彦……………」


 美鈴の言葉が詰まった意味は皆すぐに理解した。

 土煙が少しずつ消えていく最中、その中に佇む1つの影が浮かび上がる。



「分かっていたが、あれで無傷とはな……」

「ありえない………俺達の最大攻撃だぞ……」

「私たち………ここで死ぬんだ………」


 呆然と立ち尽くすしかなかった。

 手先は小刻みに震え、頭は自我を守るため何も考えない様にしているのだろう。

 しかしそんな中、王女ジェリカだけは違って見えた。



「なぜ我が帝国を滅ぼす、魔人よ」


 堂々たる態度で魔人に問いかけた。

 しかし王女ジェリカも良く見ると手先や足元が震えていた。


「…………………………………………」


 魔人は何も答えなかった。


「頼みがある、私の命だけで許して欲しい、民や他の者を傷付けないで頂きたい…頼む」


「…………………………………………」



 魔人はゆっくり手を上げた。

 空に掲げたその掌の真上に禍々しい黒い炎の玉が現れた。

 徐々に大きくなっている。一瞬で誰もが理解する。


 これが本当の『絶望』だと。


 涙が勝手に流れ出した。


 覚悟は出来ていた筈なのに………


 心の奥でやはり思っていたのだろう……


「死にたくないっ!」




 "ドォゴオオオオオォォン"




 魔人の黒い炎がその場で爆発した。

 一瞬何が起こったのか頭が追い付いていなかった。




「ハル、召喚獣の準備」

「はい。時間を稼いでエン。」

「りょーかい!」


 目の前に映ったのは二人の冒険者?なのか。

 我ら以上にあの魔人に対抗出来る戦力などいないはずなのに。

 何故?いや、誰なんだ彼らは……


「スキル 『限界突破』『金龍の加護』『全属性耐性』『闇属性超特化耐性』『瞬神速』『瞬時回復』『神興錯乱』」


 青年があの魔人と互角、いや互角以上にやりあっている。

 重複スキル掛け……しかも7個同時だと………。

 あり得ない、体か持つ筈がない。

 本当に何者なんだよあいつ。



「おいそこの人達、危ないから下がってくれるかな」

「………お前、王女様に向かって何だその口の聞き方は!」

「王女様……?ああ、ここはアルドラクの近くだったのか」

「貴様は敵か?味方なのか?」

「どっちでもないよー、とにかくもう一回言うけど邪魔だから下がってくれるかな」

「…………………………」



「ハル!」


「我が賢属よ、主の命に従え 『リヴァイアサン』」


 エルフの側魔方陣から女の子が召喚された。


「ハルちゃん久しぶりー!」

「リーちゃん。早速で悪いんですけどここら辺一帯全ての人を国の方に流して貰えるかな。」

「おっけー!魔物もチョコチョコいるけどどうするー?」

「魔物は全てこっち、人は向こうでお願いね。人は傷付けちゃダメだよ。」

「ちょちょいのちょいだよー!いくよ!」


 召喚されたリヴァイアサン、小さい女の子はとてつもない量の水を出現させた。



「ジェリカ様!美鈴!団長!」

「うわーーーー!!!!」


 広大な更地を埋め尽くした水はまるで湖の様になっていた。


「ふぅー!ハルちゃん終わったよ!」

「ありがとリーちゃん。」

「魔物達はサービスで持ち帰っちゃうねー!お腹空いたし!」

「助かったわリーちゃん。本当にありがと。」

「ハルちゃんの為なら頑張れるからね!じゃあハルちゃんの魔力も切れそうだし戻るね!」


 ハルの召喚したリヴァイアサンは姿を消した。



「エン。こっちはオッケーだよ。」

「りょーかい、ありがとハル」



「それじゃ三年ぶりに話そうぜーケイジ!!」



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