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22 歯車の不協和音

「すみません、これは何をしてるのですか?」


 広場の隅で眺めている人に訪ねてみた。


「あんた知らないのかい?半年前の大量虐殺を」

「大量虐殺ー?」

「そうさ、この王都史上最大最悪の事件だ」

「詳しく教えてくれませんか?」


 男は饒舌に話を淡々としてくれた。


 ざっくりまとめると、急に王都に魔人が現れて民が200人以上殺されたそうだ。

 中には有名な騎士団の兵士や大隊をまとめる隊長も亡くなったらしい。

 王国全戦力で立ち向かい、何とか魔人を無力化させ捕らえたとのこと。

 驚いたのはその魔人が十字架に張り付けられている子供だった。


「まだ半年前位の出来事だから遺族の人や愛国者が裁きを下しているのさ」

「それが聖なる石ってわけかー」

「それにしてもあの時のローマン様は、神に祝福を授かっていると言っても過言ではない程の戦いぶりだったな」


(…ローマン?ハルが言ってた臨界者かー)


(ってことはここは本当にレルビンの国のサンベルだったのかー)


「無力化と言っていたのですが、具体的にどうやったのですかー?」

「何をしたのか分からないが、ローマン様がそうおっしゃった為誰も疑わないのさ」


(本当に大丈夫か?動き出すなんてないよなー)


「色々教えて下さりありがとうございました」


 男にお礼を言いその場を後にした。


 半年前と言うと、俺たちはダンジョン内の時の出来事だろう。

 流石は王都といったところか、周りを見ても当時の事件の傷跡は何一つ無い。

 初めて来た旅人には、そんな事件があったなんて少しも感じ取る事が出来ないだろう。


「この国の人々の魔人への怒りと脅威がどれ程か分からないけど、あれは見てられないな」


 心にモヤモヤが張り付いたが探索を続けた。

 すると後ろから誰かに肩を叩かれた。


「もしかしてエンさんですか?」


 振り向くと知った顔が3人ほどそこにはあった。


「走斗に薫、それに南さん」


 小さな食事処のテーブルに4人は腰をおろす。


「まじで久しぶりだなエン」

「驚いたよー、走斗と薫が南さんと知り合いだったなんてー」

「こっちも驚いたわよ、南を助けてくれたんでしょエンが」


 走斗と薫は高校時代の同級生だ。


 大学で別になってからもたまに遊びに行く程の仲だった。

 社会人になってからはあまり会わなくなったが、それでも仲の良い友人だと思っている。

 久し振りの再開で、あの日からの出来事や昔の話で盛り上がった。


「そう言えば南さん、レルビンは忙しいのか?」

「隊長はエンさん達のお陰で出世してから大忙しなんですよ!」

「そうなのかー、挨拶したいなー」

「きっと夜には戻るので是非会ってあげてください伝えておきますので」

「ありがとう、そうするよー」


 ケイジとハルも喜ぶだろう。

 それにしても新しい世界で、無事に知り合いに会えた事は希望が沸くな。

 きっと家族や他の友人も無事にいてくれるだろう。


「じゃあ俺と薫は店に戻らないとだから」

「またご飯でも食べましょうねエン」


「ああ、頑張ろうお互いになー」


「私も仕事に戻らないと行けないのでここで失礼しますね」

「ありがとう南さん、レルビンに宜しくねー」

「はい分かりました!ではまた」


 俺は四人の中で最後に店を出た。

 ケイジとハルにこの事を教える為、王都を出て戻る事にした。


(後でレルビンに良い店を教えて貰って二人に迷惑かけたお礼をしよう)



 この日、人生の岐路に立たされる事になる事をエンはまだ知る余地もなかった



「ただいまー」

「お帰りなさいエン。」


 ハルはリビングのソファーで読んでいた本を閉じ返事をした。


「起きてたんだねハル」


「ええ。もう十分休みましたからね。」


「ケイジはまだ寝ているのー?」


「夜まで寝てると思いますよ。」クス


「……だね、夜になったら起こそうー」


「はい。」ニコ


 ハルの話では、家主の人も夜には帰ってくるみたいだからその時お礼をして王都に向かう事にしよう。



「そう言えば向こうの王国で南さんにあったよー」


「王都サンベルにいると行っていましたからね。また会いたいです。」


「あれがサンベルって知ってたのかー?」


「はい。私は前に来たことが有りましたからね。」


「そっかー、元々ハルの世界の国だもんなー」


「けどあの広い王都でこんなにも早く見つかるとは思いませんでしたけどね。」


「俺の知り合いもいたんだ」


「ふふ。運命の巡り合わせですね。」ニコ



 時間は進み、太陽が月にバトンパスを行う頃合いで家主が帰って来た。


 ケイジを起こして皆でお礼をした。


「本当に親切にありがとうございました」

「いいんだよ人は助け合って生きるのだから」



 家を出て俺たちは王都に向かった。



「まじかよ!あのおっさん出世か!」


「中隊長の上だから大隊長とかかなー」


「いや多分現場主任だろ!」


「確かに兵士は現場仕事だけど」


「エンの大隊長であってますよ。その上にも戦士長や教皇、参謀長などがいますよ。」


「じゃあハルは小娘大臣だな!」


「………………。」


 門をくぐりまた王都に足を踏み入れた。

 ケイジはとにかくハルには魔人の光景を見せたくなかった為、今朝とは違う道を進んだ。

 南と話していた酒場に何とか着き、俺たちは晩飯を食べていた。その時


「エン!ケイジ!ハル!久しいな」


 大柄な男が声をだし近づいてきた。


「おーおっさん!元気そうだな!」


「お久し振りですレルビン殿。」


「レルビン、忙しい所ありがとうー」


「貴殿らが来ると知っておれば休暇を取っていたぞ」


 レルビンが同じ席につき話が盛り上がる。


「あれから何をしていたのだ?」


「ずっとダンジョンだ!」


「なに?また発見したのか………それにしてもずっとと言うことはないだろう」


「いや、ケイジの言うとおり階層数が99まであるやつだったんだー」


「……貴殿らのことだ本当であろう、それにしても歴史上最長を攻略とは流石だな」


 頭を掻き毟りながら豪快に笑うレルビン。


「レルビン殿。南さんはどうしたのですか?」

「ああ、今日は魔人の見張り任務だろう」


 ハルの表情が一瞬で変わった。


「…………魔に心を落とした人。まさか」


「半年前程にこのサンベルで突然現れたのだ」





 -キラービー LV10-


 HP :800

 MP :50

 ATK:790

 DEF:240

 LUK:122



 強大な毒をもつ蜂の魔物。毒を抜いた針は意外と高く取引されている。



21,22が重複していました。

申し訳ありません。

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