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11 ダンジョン

 目が覚めるとそこは広い洞窟内で、天井には鍾乳洞の様に無数のトゲが。


「翼!起きて翼!」


 南は隣に倒れている翼の体を揺らしながら声をかける。


「………みなみ?無事か?」

「あなたのお陰でね、ありがとう」

「そうか。それよりここは何処だ?」

「分からない」


 確か俺は南を背負いスケルトンの軍勢から無我夢中で逃げた。


 レルビン隊長を一人残して…………。


「そうだ…扉は?南、扉はどこだ!」

「扉?ないわよそんなもの」


 辺りを見渡しても、洞窟内の広場に扉はおろか二人の姿以外目立つ物はない。


「考えられる事は、ここはダンジョン内だな…」

「ここがダンジョン内部っていうの?」

「ああ、更に言うならば完全攻略型だな」

「それ隊長がいっていた……」


「クリアするまで外に出ることは決して出来ない……」


 少しゴツゴツした足場の洞窟内を黙々と歩く翼と南。二人の表情から不安と焦り、レルビン隊長への後悔が容易に汲み取れる。たまらず南が口を開く。


「隊長大丈夫かな」

「俺達に出来ることは信じる事だ!そして何がなんでも生き残るぞ」

「うん!」


 奥に進むと、天井から一際大きい石柱が地面に刺さっていた。回り込み後ろを確認すると地下へと繋がる階段が。


「ここからがダンジョンの始まりって訳か…」


「南!覚悟はいいな」

「覚悟も何も進むしかないじゃない」


 二人はその階段を一歩一歩下って行く。







 *********************







 男女の声が聞こえるな………


 ここはさっき隠れていた小屋の中か。


 スケルトンどもはどこに?


 それにあれほどの傷が治っている…。


 俺は助かったのか?



「おいおっさん!起きたのか?」

「無事に目が覚めて良かったわ。」



 近付いてくる男女は翼と南ではない。

 男の方は俺と同じくらいの体格だな。

 女はエルフ族の者か。


「………スケルトンの軍勢は?」


「あいつらなら…

「俺たちが来たと同時に日が登り消え去ったんだー」


 ケイジの言葉を遮るようにエンが話す。


「本当に危機一髪でした、よく耐え抜きましたねー」


「そうか、私はレルビン・カサフエルクラドと申す。助けてくれた事に礼を言う、しかし申し訳ないがこれで失礼する」


「ダメですよ。まだ安静にしていないと。それに外にはスケルトンが出現しています。」


「すまない、やらなくてはならないことがあるんだ」


 レルビンは立ち上がりドアの方に歩き始める。


「レルビンさん、俺は風間 縁、少しでいいから話をしよう」

「そうだおっさん!俺たちが力になれるかもしれねーぞ!」


 エンとケイジの言葉に振り返り、目を合わせると力強く不思議と信じられる気持ちになった。

 エンたちの方に戻り向かい合うように腰を掛けた。


「レルビンさん俺はエンと呼んでくれ、それとこちらがケイジとハルだ」

「私のこともレルビンでよい」

「分かったレルビン、では聞くがなぜスケルトンに襲われていたんだ?」

「私は王都サンベルの兵隊だ………」



 レルビンと話して分かったことは、彼らは王都の兵隊であり、上からの指示でこの廃街に調査に来ていた。

 調査途中で盗賊に襲われ、仲間とはバラバラに。

 最後まで一緒だった二人を逃がすためにスケルトンを引き付けていたと。嘘は無さそうだ。


「翼と南。そう呟いていた二人の事ですね。」

「その通りだ、貴殿らには重ねて礼を、本当にありがとう」

「しかし、あいつらが無事か分からない以上こうしてはいられないのだ、すまない」


 再びレルビンは立ち上がった。


「レルビン、俺たちも協力するよー」

「……本当かっ!しかし…」

「良いよなケイジ、ハル?」

「もちろんだ!」

「困っていたらお互い様ですよ。」

「感謝する!力を貸してほしい」グッ


 3人の手を取り頭を下げる。



「けど1つだけ答えて欲しい、レルビン」

「どんなことでも聞いてくれエン」

「ここに来た理由、調査と言ったが何の調査だ?」

「……………王国としての秘密情報だか貴殿らは信用できると判断する。ダンジョンの出現だ」

「ダンジョン?」

「ああ、信頼出来る筋の情報だ」


 鳥肌が、体が震えた。


(よっしゃーー!やっぱりダンジョンはあったんだ!早い内に確認出来るなんて幸運だ)


「んじゃおっさんの仲間を探しにいこうぜ!」

「その前に小屋回りの壁を取っ払ってくるから少し待っててー」




 "ドォカアアァンー "




「お待たせー、さあいこう!」


(エンが外に出た瞬間のあの音、何の音だったのか?)


 エンの提案で、「エン、レルビン」「ケイジ、ハル」ペアでニ手に別れて探す事になった。


「なあハル!さっき言ってたダンジョーってなんだ?」


 建物の屋根を飛びながら走るケイジが聞く。


「ダンジョン。簡単に説明するとお宝が眠る迷路……ですかね。」


 地面を走るハルが見上げて答える。


「まじかよ!ちょっとした遊園地ってことか!」

「それがなにか分かりませんが、神出鬼没で攻略すると莫大な財と力を手に出来ると聞いたことがあります。」

「へー!それとなんでおっさんにレベル隠すんだ?」

「当たり前じゃない。バレると死ぬわよ。」

「あぶねー!知らんかった!」


(エンだったらもっと上手く誤魔化したかしら)


「スケルトンがいる!ハル次を右だ!」

「了解。」





 ◇◇◇◇◇◇◇





「レルビンのレベルはどのくらいー?」

「現在32だ。エンはどうだ?」

「俺は40位だよー、ケイジもそのくらいでハルは少し低いかな」

「おー!その年で40を超えるとは大したものだな!我が国の兵であれば大隊を率いれるレベルだ!」

「そうなのか、サンベルでは元々こっち側の人間はどの程度いるんだ?」

「翼達の事か、サンベルでは移民を歓迎しているから四十万人はいるはずだ」


(群馬県の県庁所在地よりいるなー、サンベルは相当でかいな)


「レルビン、翼と南を見つけたら今度案内してくれよー」

「ああ、まかせてくれ。喜んでもてなすぞ」


 両者は少しだけ走るペースを上げた。


(スキル『立体映像化物質感知』『魔力感知』『生体感知』)


 頭の中で、周囲の廃街3Dマップが展開される。

 そこに魔力反応、生体反応も色別で印された。

 多数の魔力印はスケルトンだろう。両方の色がついた4つの印は俺たちだと分かる。

 一ヶ所だけ、3Dマップそのものに魔力印の色がついた場所がある。間違いないだろう。



「見つけた!」

「なに?本当かエン?」

「けど少し厄介なことになったよー」


 エンはハルに習った下級炎魔法、ファイアボールを空に3発打ち上げた。


「こっちだレルビン、ついてきてくれっ」



 目の前を走るエンの姿が止まった。

 理由はすぐに分かった、少し先に禍々しいオーラを纏った宙に浮く扉を見付けたからだ。

 扉近辺に腰に着用するポーチの様なものが落ちている。


「レルビン……」

「間違いない、これは南の物だ」

「やっぱり、だとすると彼らは…」

「ダンジョン内に入っただろうな」


 エンがファイアボールを更に空に打ち上げ、ケイジたちを待つ。あらかじめ決めていた合図だ。


 少し時間がたち、ケイジとハルが現れた。

 状況を説明しているとレルビンが間に入ってきた。


「エン、ケイジ、ハル!ここまでありがとう。本来であればしっかりとした礼を渡したかったのだが許してくれ。ここから先は私一人で十分だ、未知の危険に恩人を巻き込むことは出来ない。本当にありがとう。」


 深々と頭を下げるレルビン。


「あっ。」


 ハルが声をこぼす。


「エン、サンベルを案内できなくてすまないな」

「いいや、案内してもらうさー」

「気持ちは嬉しい、だが駄目だ!」

「……駄目もなにも、なあハル?」

「そうですね。レルビン殿が頭を下げている間に、ケイジが扉の奥に行ってしまいましたから。」

「な、なんだと!?」

「そう言うことだから気楽に行こうレルビン」

「もう乗り掛かった船です。」

「…………ありがとう。」



 3人は扉の奥に姿を消した。







 -上條 翼 ♂ 18才 LV22-


 HP :3300

 MP :600

 ATK:1700

 DEF:1600

 LUK:360


 元サッカー部キャプテン。南とは幼なじみで同じ学校に通っている。お調子者だが義理に厚い。



 -安藤 南 ♀ 16才 LV18 -


 HP :1800

 MP :560

 ATK:1000

 DEF:950

 LUK:450


 翼とは幼なじみで同じ学校に通っている。元空手部で県大会準優勝の腕前。可愛い物が好きでとても心優しい。



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