音楽相談所での初仕事-3
依頼主の住むマンションの一階にあるスタジオルームを依頼主に予約してもらい、そこを訪れた。
そこには、一台の電子ピアノとアンプなどの音響機器がおいてあった。一通りの挨拶のあと、私はまず、該当の曲を演奏してから説明を始めた。
彩夏さんと店長からの説明をそのまま伝えると、駒形さんの父親が席を立った。
少し席を外してもよいですか。
形だけは確認の形をとっているが相手に有無を言わさない口調だ。
どうぞ。
すると、足元に置いてあったバッグを拾い上げて中身を確認すると早歩きでスタジオルームを後にした。
その直後に、駒形氏が話し始めた。
さすがです。あの作品は、父に私がピアノを習っていた頃、私が作ったものに父が手を加えたものです。しかし、父が自分の作品として発表していたことは知りませんでした。私の父はピアニストだったと聞いています。なのに、なんで私の作品を…
突然、ドアが開いて彩夏さんが入ってきた。
由井、駒形の親父はどこに行った?
少し席を外すといって、
みすみす逃がしたということか。
どういうことですか?父が何かしたのでしょうか。
いや、ただ聞きたいことがあっただけだ。
駒形さんのお父さんは何をしたのですか?
私もよくは知らない。ただし、うちの姉とひと悶着あったらしいという事だけメールで聞いた。
そのあとは、あっという間だった。駒形さんとしては父が勝手に発表していたが問題にすることを避けたいので今回の件で著作権の主張はしないことにしたらしい。しかし、駒形さんの父親に関してはそのあとから、消息不明になったという事だ。
岩原さんは、帰ってきてから私に対して、
私たちの仕事というのは音楽に関する相談であるとともにその人の人としての成り立ちなどにも深くかかわっている。その中で、事実を提示することは相手に苦痛を与えてしまう可能性がある。また、相手が現実から逃げ出してしまうこともある。だから、できる限り同じ空間の中にいられるように心がけた方がいい。
という事を教えてくれた。
私がそのあとで、駒形さんのお父さんとの関係を聞いてもはぐらかされるばかりで何も話してはくれなかった。
さらにそれからしばらくたって山の中で駒形さんのお父さんのカバンが見つかったという事をワイドショーで報道していた。しかし、遺体は見つかっておらず彩夏さんは責任を感じているためにか、たびたび親交のあった人などに話を聞いている。
この一件以降しばらくの間不思議な相談はなく、普通の音楽相談として、学校の音楽の授業の発表で演奏する曲の楽譜探しなど普通の仕事があった。
それからしばらくして、また駒形という名前が出てくる一件があったというのはまた、別の話。
一応の終結をみました。
最後の方はプロット無しだったためぐだぐだしてしまいました。
また、気が向いたら続きを書くと思います。
次は少し空想の度合いが高いものをかく予定です。
ここまで読んで下さりありがとうございました。
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